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これは2016年に私、深澤亮道と愉快な仲間たちが、インド・ネパールにあるお釈迦様の聖地を巡った旅の記録である。
Contents
前回のあらすじ
前回、ブッダガヤでお釈迦様は何を悟ったのか?という内容でお送りしました。
前回の記事はこちら↓
これまでの記事はこちら↓
今回は、場所を移動しまして、世界最古の大学「ナーランダ大学」とお釈迦様がよく説法をされたとされる「霊鷲山」を訪れます!
ナーランダ大学
ブッダガヤから北に60kmほど行ったところに、ビハール州ラージギルと呼ばれる場所があります。
ここは、お釈迦様が生きておられた時マガダ国という大きな国があり、
この国を治めていたビンビサーラ王とお釈迦様は親しい間柄にあったといいます。
そういう理由もあってか、お釈迦様は最も長く滞在した地であり、各所に仏教教団跡地や、説法の場所が存在し、経典にもしばしば登場する場所でもあります。
そしてここには世界最古の大学と言われるナーランダ大学があります。
ここも、お釈迦様の時代は修行生活を行う精舎でしたが、いつしか仏教研究の場所となり、5世紀頃には本格的な総合大学となっていったそうです。
仏教学の他にも、アーユルヴェーダ学、医学、治金学、数学、音楽学などの学部があり、最大で1万人の学生、2千人の教授が日夜学問に勤しんでいたそうです。
5つの大きな仏教寺院と、お坊さんたちや学生が生活をする僧院が並び、インド国内だけでなく、国外からも多くの留学生がいました。
その中の1人で有名なのが、玄奘三蔵(602~664)がいます。
西遊記の三蔵法師のモデルとしても有名ですが、彼はここナーランダ大学で仏教を学ぶために、密国し危険を犯してまでも旅を行いました。
玄奘三蔵はここナーランダ大学で5年間学び、最終的には副学長まで勤めたそうです。
ここで、サンスクリット語の経典657部を中国に持ち帰り、そこから中国語(漢字)への翻訳に生涯を捧げました。
(出典:wikipediaより)
↑背中に、数多くの経典を背負っているのがわかります。
有名なお経で言いますと「般若心経」がありますが、現在でも私たちは玄奘三蔵が翻訳したとされるお経を多く読経しております。
世界最古の大学として多くの学生、学者を排出し栄えていた場所ではありますが、12世紀の末にイスラム部隊の焼き討ちにあい、1500年以上続いた歴史は途絶えることになります。
図書館は9階建てだったそうですが、なんとそこにあった全ての蔵書が燃やされ、全ての本が燃え尽きるまでに半年かかったというふうにも言われています。
こうして、ナーランダ大学以外にも、古くから残る仏教寺院や仏教遺跡というのは、イスラム勢力の侵攻により数多く破壊されいきます。
もし、この焼き討ちや破壊がなかったらもっと数多くの仏教経典や歴史的事実が残っていたかもしれないと思うと、悔やまれてしまうものです。
なので、現在ナーランダ大学を観光しても跡地のみ残っている状態になりますが、2016年に世界遺産に登録されました。
霊鷲山(りょうじゅせん)
さて、ナーランダ大学を観光したあとは、すぐ近くにある霊鷲山に赴きました。
ここはお釈迦様が、数多くの説法をした場所と言われており、日本でも多く読まれている『法華経』や『無量寿経』などは、この地で説法された内容が記載されています。
霊鷲山は小高い山になっていて、歩いてもいけますが、リフトがあるのでリフトを使って途中まで登ります。
名前の由来は、頂上部分がわずかに平になっており、ハゲワシの姿に見えるということで、霊鷲山と呼ばれているそうです。
↑写真の頂上部分がお釈迦様が説法されたとされる場所です。
もちろん仏教聖地として崇められており、この日も数多くの参拝者で賑わっていました。
経典の中に数多く登場する霊鷲山ですが、ここの場所は長らく特定することができませんでした。
しかし1903年に、日本の浄土真宗の僧侶である大谷光瑞法主探検隊が、玄奘三蔵が書き記した『大唐西域記』の一説から、この場所を特定したそうです。
この場所でどのように説法していたのかはわかっていませんが、おそらく弟子たちは山の傾斜に沿って並び、お釈迦様の話を聞いていたのではないかと思われます。
と、いうのも当時の仏教教団の人数は1000人規模の弟子たちがいたと伝えらえており、どう考えてもここの頂上に収まる人数ではありません。
私も霊鷲山頂上の端っこから、麓を眺めて見ました。
おそらく、現在も2600年前とあまり変わらない景色なのかもしれない。
お釈迦様も、ここから同じ景色を眺めていたと思うととても感慨深いものがありました。
次回予告
ナーランダ大学跡地や、霊鷲山があるここラージギルは、本当に多くの仏教遺跡やエピソードが残っています。
次回は、このすぐ近くにある、仏教教団が過ごした「竹林精舎」や、王舎城跡などを訪れます!
「vol.16 ナーランダ大学と霊鷲山」をお読みいただきありがとうございました(^^)
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