スポンサードリンク

禅活-zenkatsu-のTwitterアカウント(@zenkatsu_zen)で不定期更新している企画【僧侶がグッときた言葉】

ここでは禅活のメンバーが僧侶として気づきのあった言葉、感動した言葉をご紹介しています。

その内容は音楽、漫画、映画、著名人、お経など、ジャンルを問いません。

ここでは僧侶がグッときた理由を、詳しくご紹介します。

#2 人間発電所/BUDDHA BRAND

前回は私、西田がジャパニーズHIP-HOPの名曲「ゆれるfeat.田我流」の歌詞をご紹介しました。

そして今回も私西田がご紹介するのは同じくジャパニーズHIP-HOPの超名曲です。

1990年代の立役者であるBUDDHA BRANDというグループの「人間発電所」の歌詞です。

この曲はデータ配信等がされていないため基本的にはCDを買うしか聞く方法がありません。基本的には。

※絶対にYoutubeで違法にアップロードされていたりはしないので検索して聞いたりしないでくださいね(伝われこの思い)

 

さて、この曲の中で【僧侶がグッときた言葉】はこちら。

BUDDHA BRANDはジャパニーズHIP-HOPシーンを語る上で欠かせないグループですが、2015年にメンバーのDEV LARGE(デブラージ)氏が急逝。シーンに激震が走りました。

ちなみに加藤ミリヤさんのデビューシングルに収録された「夜空」という曲は、この「人間発電所」のトラック(メロディ)を使ってDEV LARGE氏がプロデュースをしたものです。

なんというかトラックだけで、ジーンとくるんですよね、この曲。

それはDEV LARGE氏の急逝は関係なく。

たまにそういう曲に出会うことがあるのですが、こればかりは個人の趣味と感覚としか言いようがありません。

BUDDHA BRANDという革命

少し個人的な趣味に走って話題が逸れました。

気を取り直してこの曲の歌詞をみていきますが、

基本的に意味はわかりません

結局歌詞の中で何が言いたいのか、さっぱりわからないんです。

ただそれに関して、私が敬愛するラッパーの1人、RHYMESTERの宇多丸氏はライブの中でDEV LRAGE氏追悼と共にこんなことを仰っています。

自分がこの曲というかグループとの出会いで一番学んだのは
「あぁ、もっと自由でいいんだ!」とか
歌詞の内容とか「こんなひどいこと言っていいんだ!」
「かっこよくておもしろかったらいいんだ!」っていう。
生前話していると「シロウ(宇多丸氏の本名)普通じゃだめなんだよ!普通じゃつまんないんだよ」って…。
それでおれすっげー解放されたの。(以下略)※西田文字起こし

BUDDHA BRANDの曲は、文章としてリリックを書くことに捉われていた宇多丸氏を解放したのです。

そしてそれはリスナーもみんながみんなが同じように意味を理解するのではなく、1人の1人に感じ方があって良いということなのではないでしょうか。

「普通」という枷

宇多丸氏が「こんなひどいこと言っていいんだ!」と仰るように、ここにはとても書けないような言葉もたくさんある「人間発電所」の中で、私の心に刺さったのが

普通がなんだか気づけよ人間

という言葉でした。

「普通」という言葉は、本来の「ありふれたもの、どこにでもあるもの」から飛躍して、最近は随分多くの意味を含むようになりました。

「普通に美味しい」

「普通に嬉しい」

そんな褒めているのか、けなしているのかもわからない使い方が当たり前になってきています。

そして、忙しい社会に生きる人々はみんな「普通」というかせに囚われてしまっているような気がします。

コミュニティからはみ出さないように、劣っていると思われないように、嫌われないように、みんなが「普通」であろうと心がけます。

そんな「普通」という枷を時には人に押し付け、時には自らを縛っていることに、私たちは気づいていないのかもしれません。

4月のこの時期、新たな環境に移った方が「これが普通」と教えられた場合、それが出来なかった瞬間にその方は自分が「普通」ではなくなってしまいます。

普通はできる、普通はこう、普通なら…。

こうした言葉は発した自分が思っている以上に、人に深い劣等感やトラウマを植え付けているのです。

私もそれで傷ついたことが何度あることか。

普通がなんだか気づけよ人間

家、能力、性格、体型、価値観、幸せ…。

様々な「普通」が社会に蔓延していますが、そのせいで忘れられつつある言葉があります。

それは

 

「ありがたい」

という言葉。

仏教では因縁仮和合いんねんけわごうと言いますが、この世にあるものは全て一時的な結びつきによって存在しています。

人の命はもちろん、自然物、人工物、全てのものが次の瞬間に存在している保証などありません。

どんなものもこの世に有ることが難しいから「有り難い」と書くのです。

そして、「ありがたい」という言葉の本当の意味を知った時、この世に「普通」など存在しなかったことに気づかされます。

人間はあって当たり前、普通だと思った時、その有り難みを忘れ、失うまで思い出せない生き物です。

今「普通」と思っていることは本当に「普通」なのでしょうか?

実は私たちはみんな一人一人が「普通」ではありません。

好き嫌い・得意不得意・長所短所、どれもが普通ではない普通ではないその人の個性です。

それが人と被ろうが似ていようが、全く同じことなどありえません。

 

「普通がなんだか気づけよ人間」

 

この言葉をよく考えたとき、私の中にあった「普通」という枷が外れました。

そして「普通じゃない自分」と出会い、知らずに背負っていた肩の荷が下りた気がしました。

 

「人間発電所」収録アルバム

 

おすすめの記事