お寺のクリスマス事情とそのワケ

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大騒ぎになったハロウィンもどこへやら、11月から街に漂うクリスマスムード。

お寺に生まれて27年(2018年時点)、この季節に聞かれる質問ランキング堂々の1位(経験を根拠に)が

「お寺ってクリスマスやるの?」

です。

今回はここでこの質問への回答と根拠をお話したいと思います。

Contents

クリスマスの思い出

まず最初に、私が子供の頃、家でクリスマスの何かしらがあったのかについて。

先に言ってしまいますが、ありました

クリスマスイブにはプレゼントを買ってもらい、少し豪華な夕食とケーキを食べました。

私の母の誕生日が12月24日だったこともあってか、確実にイベントとしてクリスマスは存在していたのです。

なんならサンタさんも来ました。

一番古い記憶だと、小学校低学年の12月25日の朝。

目を覚ますと大きな包みがあり、大喜びで開けると、欲しいと思ったことのないアメリカンバトルドームが。

「…そ、そうだよね!サンタさん海外にいるし忙しいんだから一人一人の欲しい物なんて知らないよね!リアル!むしろリアル!

完全にサンタさんの存在を信じていました。(遠い目)

そして、ある程度欲しい物がはっきりしてくる小学校高学年になると、サンタさんはゾイドやらベイブレードやら、欲しい物をくれるようになり、さすがサンタさん!わかってらっしゃる!とさらにサンタさんを信じたものです。

小学6年のクリスマスの朝は珍しく地元に雪が降って、目を覚ました枕元にはゾイドのウルトラザウルスがあったのは今でも覚えています。

(ウルトラザウルス/©️タカラトミー)

ところが中学生になると同時に、父親(住職)の「うちは仏教徒だから」宣言と共にサンタさんは来なくなってしまったのでした。

クリスマスを「祝う」?

中学生になってから、サンタさんは来なくなったものの、一応何かしらプレゼントは買ってもらえるという子どもに甘い私の実家でしたが、そこでクリスマスを「祝って」いたのかというと、これは微妙です。

クリスマスはキリスト教徒にとってはイエス・キリストの誕生日。

仏教徒はお釈迦様のお誕生日である4月8日には花まつりや法要を行うなどの宗教儀礼があり、これは「祝っている」と言えます。

ただクリスマスとなると、その最中にイエス・キリストに祈ることも、想うこともほとんどありません

これはお寺に限らず、ほとんどの日本人がそうなのではないでしょうか?

クリスマスという年末にも近い、儚さと期待の両方を含んだその日を大切な人と過ごすという「習慣」が私たちの心を躍らせるのかもしれません。

有名な話ですが、海外を中心に、キリスト教を本当に信仰している人は、クリスマスを家族以外の人と過ごすことはまずないそうです。

仏教とクリスマス

では、冒頭の「お寺でもクリスマスやるの?」という質問の答えは個人的には「Yes」でしたが、だいたいそれに続くのが「え、仏教徒なのにいいの?」という質問です。

ここで言う「いいの?」とは「信仰上の問題はないの?」ということですので、少し仏教の信仰について触れてみます。

お釈迦様が仏教を説いた当時のインドには、支配者階級のバラモン教から民間信仰まで、すでにたくさんの宗教が溢れていました。

そんな国で仏教を広める上でお釈迦様は、生贄などの殺生や暴力を含むものを除いて、民間の宗教儀礼を認めていったのです。

同時に、形として儀礼に参加するだけではその宗教を信仰することにはならないとも言っています。

つまり、仮にクリスマスやハロウィンや断食をしたとしても、そこに心からの信仰がなければ問題はありません

考えてみれば、「クリスマス好きなんで自分キリスト教徒っす!」と言われても、本当に信仰している人からしたら失礼な話ですよね。

仏教と信仰

一方で、これは心からの信仰がなければ仏教徒とは言えないということでもあります。

ここで言う心からの信仰というのは、仏教の教えに納得して、悩みから救われ、生き方の指針としていくことを言います。

お寺でクリスマスパーティーをすることも、プレゼントをあげることも、家族のため、子供のためを想っての行いとして素晴らしいことです。

私も両親のおかげで、家庭をもったらクリスマスは何かしら楽しませてあげたいと思えます。

それと同時に、仏教徒であるならばしっかりと仏教を「生き方」としていかなければならないのです。

だから私はクリスマスを楽しみつつ、仏教を「生き方」としていくために益々精進しなくては!と思うわけです。

色々な文化が入り混じっている日本だからこそ、こうして仏教の信仰を見つめる機会があるのかもしれないな、そんなことを思うのでした。

それでは皆様、よいクリスマスを!!

 

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