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先週の深澤家とある会話にて・・・
うなぎ食べようよ!
ってか、今更なんだけど「土用の丑の日」ってなんでうなぎ食べるの?
とりあえず栄養価が高いからだよね?
私は、小さい時にこの言葉を初めて耳にした時、
「土曜の牛の日」だと思っていました。
なので、土曜日に牛を食べる日だと思っていたら、どうも様子がおかしい・・・
なぜか平日でもうなぎを食べているではありませんか!
松田優作バリの
とツッコミを入れたかは覚えていませんが、とりあえずいつの間にかそんな日なんだなと納得していた自分がいました。
Contents
土用ってなに?
土用という期間は、実は年に4回あり、立夏・立秋・立冬・立春の直前の18日間のことを指します。
これは中国から伝わった「陰陽五行思想」に基づいた暦で、この季節の変わり目は、新しい命が育ち、古い命が還り、「土」が最も旺(さかん)になるとして、土旺用事と呼ばれ、略して土用というようになったそうです。
今年の土用の期間は
冬土用:1月17日〜2月2日
春土用:4月17日〜5月4日
夏土用:7月19日〜8月6日
秋土用:10月〜20〜11月6日
とされており、必ずしも18日間ではない場合もあります。
一般的には、土用と聞くと夏を思い浮かべますが、実は、年に4回もあったんですね・・・
丑の日ってなに?
そして、丑の日ってなに?って思われる方も多くいらっしゃるでしょう。
干支と聞くと毎年変わる「子、丑、寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉、戌、亥」と十二支を思い浮かべる人が多いと思います。
しかし、古くから干支は、年の干支だけではなく、日にちや時刻、方角にも当てはめてて数えられました。
本来干支は、「十二支」だけではなく、10種類の「十干(甲、乙、丙、丁、戊、己、庚、辛、壬、癸)」を組み合わせた60個あるもので、これを「六十干支」といい、その年や日にちに当てはめたものを指します。
日本でも、その年に何があったのかを表す時に六十干支を使っており、1番有名なのは「甲子園球場」ではないでしょうか?
これは「甲子(きのえ ね)」の年に完成したため、名付けられました。(ヘェ〜!!!)
あとは、壬申の乱(672年)や戊辰戦争(1868~69年)も六十干支から名付けられました。(ヘェ〜!!!)
年の干支だけではなく、月や日にちにも六十干支が採用されています。
これは今でもカレンダーに記載してあったりするので、少しは馴染みがあるのではないでしょうか?
そして、土用の期間に巡ってくる「丑の日」だから「土用の丑の日」といいます!
今年は本日7月28日(水)が土用の丑の日になります!
実は、土用の丑の日は1回だけではなく、18日間ある土用期間で、12日ごとに干支が割り振られているので、年2回ある年もあります!
が、残念ながら今年の土用の丑の日は1回のみだそうです。
で!なんでうなぎ!?
では、なぜこの日にうなぎを食べるようになったのでしょうか。
なんでも一説によると、夏場に売り上げが落ちてしまったうなぎ屋さんが困っていたところ、平賀源内(1728~1780)という医者であり蘭学者であり、俳人である、いわゆるなんでもできるスーパーエリートに相談したそうです。
その時に、
と店の前に掲げるように店主に助言したところ、これが大ヒットしたそうで、他のうなぎ店も真似をして徐々に全国に広まっていったそうな・・・
つまり、元祖コピーライターであり企業戦略の一つから始まった風習ということですね。
確かによくよく考えてみると、脂がたっぷりのった熱々のうなぎって夏場には売れなさそうですもんね・・・
そしてそこから派生したのかわかりませんが、現在ではうなぎ以外にも「う」のつく食べ物が良いとされております。
例えば、熱を下げるとされる瓜科のウリやキュウリ、ゴーヤ、食欲をあげてくれる梅干し、消化に良いとされるうどんなど、土用の丑の日には夏の暑さにも負けぬ栄養価の高い食べ物、食材を摂ることがいいとされています。
それこそ牛も「う」がつくじゃん!と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
実は、この土用の丑の日の文化が広まった江戸時代は肉食が忌避された時代であり、牛や馬などはあまり広まらなかったと言われております。
うなぎの彼の来所を測る
「彼の来所を測る」とは、私たち曹洞宗の僧侶が食事をする前にお唱えをする五観の偈に出てくる言葉になります。
簡単に言いますと、今目の前にある食事がどのようにここに来たのかを推し測るという意味です。
では、うなぎがどこからやってきているかご存知の方はいらっしゃるでしょうか?
うなぎの養殖は、鹿児島県や愛知県、静岡県あたりが有名ですが、それ以外でも日本各地の清流で天然うなぎも獲ることができます。
高級食材ではあるけれども、スーパーでたくさん並んでいるし、それなりに漁獲量があるように思えますし、古く日本では、万葉集の中にもうなぎを食用としている記述があり、日本人の中で親しまれてきました。
しかし、その生態系の多くは謎に包まれており、さらにうなぎ(ニホンウナギ)は絶滅危惧種に指定されているのです。
哲学者のアリストテレスや、心理学で有名なフロイトもうなぎの研究を行いましたが、うなぎがどこで生まれてどこで成長しているのかさえ全くわからなかったのです。
うなぎの研究が始まってからなんと2000年間、産卵場所も産卵の風景、生殖器すら見つけることができなかったのがうなぎなんです!
2009年に東京大学の研究グループが、世界で初めてうなぎの卵を発見し、その場所というのが、日本海から6000km離れた世界最深のマリアナ海溝だったそうです。
マリアナ海溝で孵化したうなぎは、海流に流され6000km離れた日本近海へやってきます。
この稚魚がシラスウナギと呼ばれ、この時鹿児島や愛知や静岡を通る時に、捕獲して養殖するわけです。
そして、養殖の網に引っ掛からなかったうなぎはそのまま日本各地の川を遡上し、5〜10年そこで暮らします。
また、産卵期になると、あの体で昼夜問わず6000km離れたマリアナ海溝まで泳ぎ続け、産卵を迎えそのまま最期を迎えます。
うなぎは生まれた時にオスとメスが分かれているわけではなく、産卵の直前にオス、メスに分かれるそうなのですが、なぜか養殖で育てたうなぎの9割はオスになってしまうそうなのです。
なので、いまだに完全養殖には至っておらず、今後完全養殖に成功すれば、安価にうなぎが食べることができて、絶滅危惧種からも外れるかもしれません。
しかし、なぜマリアナ海溝でしか産卵しないのか、なぜ日本の清流で5〜15年ほど暮らすのかがわかっておらず、未だ謎に包まれているのがうなぎなのです。
修行道場とうなぎ
ここまでうなぎについて述べてきましたが、土用の丑の日にうなぎを食べたいけど高すぎて食べることができない!
また、あの脂身であったり、若干の臭みが苦手なんだよなーという人もいるかもしれません。
そんな方にお勧めしたいのが、擬製うなぎです!
材料は、豆腐と里芋を混ぜ合わせるだけと非常にシンプルですが、油で揚げて、醤油とみりんを合わせたタレをつけてバーナーで焼き上げる(オーブンでも可)と、あら不思議!
本当のうなぎのような食感と味わいを楽しむことができます!
この擬製うなぎを初めて食べたのは、永平寺での修行中だったのですが、美味しすぎて涙が出たほどです。
何より身近な食材で作ることができ、頑張れば30分くらいで作ることができます。
過去に行った、擬製うなぎ作りのレポートや動画を添付しますので、興味ある方は是非作ってみてください!
まとめ
だけれども「う」のつく食べ物だとなんでもいいらしいから、梅干しでもうどんでもいいらしいよ!
じゃあ、あなたは梅干しでいいとして私と娘の分のうなぎ買ってきて!
最後までお読みいただきありがとうございました🙏