タトゥー問題について考えてみた

スポンサードリンク

近年、タトゥーをめぐる議論が活発化しているようです。

たとえば、医師免許を持たない彫り師が墨を入れることは違法行為に当たるのではないかとの訴えがありました。(ちなみに結果は無罪)

また、日本のボクシング界では、チャンピオンが入れ墨をさらしながら出場したことでも議論が紛糾しました。

つい最近ではプロ野球の読売ジャイアンツが、入れ墨をしている外国人選手を採用したことも大きな話題になりました。

日本が国策としてインバウンドによる産業振興を目指していることもあり、多くの国で一般化しつつあるタトゥーをいかに受容すべきかというのは大きな問題です。

今回は、日本において今後入れ墨をどのように扱うべきか、好き勝手に考えてみます。

Contents

日本における入れ墨は

日本における入れ墨は、とある一つのイメージと強く結びついてきました。

それは、

「入れ墨=暴力団」

というもの。

ご存じの通り、日本において入れ墨は暴力団や、その他アウトローのシンボルとして認知されてきました。

そのため多くの日本人にとって、入れ墨は「恐怖」や「嫌悪」の対象となります。

浴場やトレーニングジムなど、素肌をさらす可能性の高い施設で「入れ墨お断り」をするのは、条例・法令が定める暴力団への利益供与を防ぐとともに、大多数の一般人が安心して施設を利用することができるようにするためです。

しかし、最初に述べた通り、近年になってその状況は変化してきました。

それは

入れ墨を「タトゥー」というファッションとして考える人が増えたということ、

そしてタトゥーが一般的である国から訪れる観光客が増えたということです。

そこで「入れ墨お断り」を全面的に適用してしまうと、人権侵害や差別に当たるケースも生まれてくることでしょう。

変化する情勢を踏まえて、何らかの対策を講ずる必要があると思います。

タトゥーをどう受容するか

ただ、現在の「入れ墨お断り」をすべてやめてしまうべきだとは考えていません。

実情に合わせて、正当性を担保したルールを作る必要があるのではないかと考えています。

具体的には、

「暴力団お断り」

「暴力団以外の人はタトゥーを隠すか、専用の施設を利用する」

この2つでいいのではないかと思います。

(※ 暴力団員とされる方々を、公共施設から排除するのが社会正義にかなうのかは、ひとまず置いておきます)

タトゥーをすることによる不利益=差別・人権侵害か?

さて、ここで考えてみたいのは、小題の通り。

タトゥーを入れて不利益を被ることは差別や人権侵害に当たるのか、ということです。

あくまで、日本の社会の現状と照らしてですが、私はタトゥーを入れている理由によると考えます。

簡単に言えば、

ファッション目的など、自己責任の範疇で入れているタトゥーは不利益を被っても仕方ない。

やむを得ない理由や、必要性に迫られて入れているタトゥーによって不利益を被ることは是正すべき。

という、立場です。

 

日本の社会において、入れ墨が「暴力団のシンボル」である以上、自分の意志でタトゥーを入れたのなら不利益も甘受すべきではないでしょうか。

一方で、

宗教上の理由や、成人などに際する民族の通過儀礼として彫られるタトゥー。

医療上の理由で彫られたメディカルタトゥーや、軍人・兵士が本人識別のために彫っているタトゥー。

これらは受容の手立てを講ずる必要があると思います。

こうしたタトゥーが彫られていることを理由に「お断り」するのは、差別や人権侵害に当たる可能性があると思います。

なぜなら、こうした理由で入れられるタトゥーは「本人の生き方や信仰に大きくかかわり」、あるいは「生きる上で必要な措置」だからです。

 

暴力団排除という意味合いを除けば、「タトゥー禁止」はドレスコードだと私は思っています。

しかるべき場所には、しかるべき格好をして入るのは当然のことです。

しかし生き方や信仰、安全に関してはドレスコードで制約できません

ここに双方の合理的配慮が必要となるのではないでしょうか。

 

つまり、私が言いたいことは、

日本において入れ墨は「悪のシンボル」であり、タトゥーに対し嫌悪や恐怖を感じる人も多く、ありとあらゆるところで「入れ墨OK」とするのは現実的ではない。

タトゥーがファッションならば、ドレスコードには従うべき。

ただし異なる文化・風習、個人の安全への配慮としてタトゥーを受容する必要もある。

こういうことです。

タトゥーのカッコ良さって?

ところで、近年のタトゥーの規制緩和を求める議論を見ていて強く思うことは、

「そもそも日本で、タトゥーが理由で不利益を受けるのはおかしい!タトゥーを受け入れろ!って言っちゃうのって、とんでもなくダサくない?

ということです。

あくまで私個人の意見ですが、タトゥーがカッコいいとされるのは「悪い」からではないでしょうか。

好きなキャラクターや、好きな言葉をまといたいなら服でよいですし、刻み込んでも一生消えないものとして残るわけでもありません。

手術をすれば、消すか、目立たなくすることもできます。

それでもタトゥーを入れるのは、「悪さ」がおしゃれになるからではないでしょうか。

 

それなのに、です。

 

「悪さ」を求めているのに、同時に権利とか利益を求めちゃうのって、やっぱりダサくないか、と思ってしまいます。

むしろ、

タトゥーを入れる人が社会から受け入れてもらえないことは望むところでなくてはならない。

彫る人も彫られる人もアングラなくらいがちょうどいい。

このように思うのですが。

(※あくまで、入れ墨が「暴力団のシンボル」とされる日本に限った話です。)

おわりに

いろいろ書きましたが、タトゥーを入れること自体を私は否定していません。

思想も信条も自由です。

外国人への配慮という点においても、少しずつ寛容になっていくべきでしょう。

ただ、タトゥーに対して暴力のイメージや、アウトローのイメージが根強く残る今の日本でタトゥーを入れると、多くの人に嫌がられ、嫌われてしまう可能性も高いと思います。

以上です。

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事