【永平寺から無一文で歩いて帰るもん。】vol.31 涙のおむすび

スポンサードリンク

これは私、深澤亮道が福井から岩手までの700Kmを無一文で歩いて帰った物語である。

Contents

前回までのあらすじ

永平寺を出発して17日目。

約500km歩き、山形県は鶴岡市のあつみ温泉駅近くまで来ました。

前回は、この旅初めての旅館に泊まったお話を綴りました。

前回の記事は以下から読むことができます。↓

バックナンバーは以下から読むことができます。

【永平寺から無一文で歩いて帰るもん。】

今回は、鶴岡駅までの道のりとその先で出会ったお兄さんのお話をしたいと思います。

18日目の目的地

18日目 8:00〜

一泊お世話になった清水屋旅館を出発します。

本日の目的地は、鶴岡駅あたりまでの30kmの道のりを目指します!

また泊まる場所は見つけておらず、野宿の予定で出発しました。

だいたい30kmの行程ですと、朝8時に出発して、お昼に少し休憩を入れて夕方5時〜6時くらいには到着する予定です。

ただこの日は、少し早めに歩みを進めます。

と、いうのも鶴岡駅での目的があるからです!

それは・・・

そう!

托鉢です!

如何せん、残金がほぼ底をつきはじめています。

食べ物はおろか、飲み物さえ買えないくらいです。

それに今後の行程は、宮城県にむけて山道を通るルートなので、托鉢をできるのは鶴岡駅くらいしかないのでは?と、思ったのです。

鶴岡駅で、托鉢をしなければ死活問題になりかねません。

一縷の望みをかけて、痛む足を引きずりながら、少し早めに歩きます。

涙のおむすび

18日目 11:00〜

清水屋旅館を出発して3時間。

国道7号線を北上してきましたが、地図を見ると鶴岡市内にむけて内陸へと道路が進んでいます。

おそらくこれがこの旅で、日本海は見納めとなるでしょう。

「三瀬海水浴場」というところで、海を眺めながら、少し早めの休憩と昼食をとることにしました。

清水屋旅館の女将さんからいただいたおむすびを開くと、その中には封筒も一緒に入っていました。

その中にはなんと・・・


!?!?!?!?
5000円が入っているではありませんか!

一瞬理解できませんでしたが、玄関先でお経を読んだあと、女将さんに、

 

お経をあげてもらったお布施だよ!
いいから持って行きなさい!

 

と、言われたのを思い出しました。

(あれ・・・おむすびじゃなくてこのことを言っていたんだ!)

私はずっとお布施として、おむすびをもらったのだと思っていました。

5000円で一泊させてもらったのに、5000円のお布施をいただくなんて。

どう考えても女将さんのポケットマネーでしょう。

女将さんの優しさにただただ、涙がこみ上げてきました。

私のその時の気持ちは、ジブリ映画『千と千尋の神隠し』で、ハクからいただいたおむすびを大粒の涙を流しながら食べている、千尋と一緒でした。

(いや、そんなに可愛い絵面じゃないか!笑)

おむすびは「お結び」と書いて、良い縁を結ぶというのは、よく言われていることですが、本当にこんなに有難いご縁を結びながら旅を続けることができることを切に感じます。

正直にお伝えすると、旅館に泊まった時点で心がくじけかけていました。

しかし、女将さんに対する感謝と同時に、この旅を最後まで続けようと、いただいたお布施を見つめながら強く思ったのでした。

そして、涙で良い塩梅になったおむすびを食べ終え、鶴岡駅を目指し出発します。

※清水屋旅館にいつかまた訪れたいと思っていましたが、今回記事を書く上で検索したところ現在廃館しているようでした。

お釈迦様荒倉口

18日目 13:00〜

国道7号線を、鶴岡市内に向かってひた歩きます。

その途中にこんなバス停が!

「お釈迦様荒倉口」

なんとも不思議な名前のバス停じゃないですか?

ちなみに場所はこのあたりになります。


登山口の入り口でもなければ、お釈迦様の生涯にも荒倉口なんてエピソードは登場しません。

気になって調べて見たのですが、なぜこんな名前なのかわかりませんでした。

もし、この記事を読んで下さった読者のなかで、このバス停について知っている人がいましたら、是非情報いただけると嬉しいです!
それまでずっとモヤモヤして待っていますので、よろしくお願いします!

鶴岡駅に到着

「お釈迦様荒倉口」をすぎ小さい峠を超えると、目の前には庄内平野が広がります。

新潟平野と景色はそんなに変わりませんが、なんというか「東北に入ったぞー!」という気持ちがここで一気に強くなりました。

と、言っても山形県にきたのはこの時がはじめてだったと思います。笑

18日目 17:30〜

午後5時半頃、無事鶴岡駅に到着しました。

托鉢をしようと決意して出発しましたが、やはり30km歩くとそこから托鉢しようという気力が湧きません。

おそらく疲れもありますが、女将さんからいただいたお布施で少し安心したのでしょう。

すぐさま野宿場所を探して、歩き始めました。

と、すぐ近くにとても野宿に適している場所を見つけました。

この日は、鶴岡駅から程近い、赤川にかかる三川橋の下(ややこしい。笑)で、ヤンキーが来ないことを祈りながら、寝床につくのでした。

19日目

19日目 7:00〜

えー、感想から言いますと、今までの野宿で一番寝心地がよかったかもしれません。笑

橋の下なので、車の通る音は気になりますが、それ以外の風や気温などは特に支障なく眠れることができました。

さて本日は、山形県新庄市までの道のりの行けるところまで!を、目指します。

というのも、ここから120km先の宮城県大崎市までは基本的に野宿を予定しています。

なにせこの旅で一番懸念していたのが、これから通る山形県から宮城県への奥羽山脈超えです。

一応、19日目の今日は新庄市手前の戸沢村あたりまでを目指して出発しました。

途中、鶴岡市内にあった「薬王堂」で切れかかっていたテーピングを追加購入しました。
あ、ちなみに薬王堂は東北を中心に展開しているドラッグストアです!

こうして地元ならではの店舗があるだけでも、徐々に近づいていることを実感します。

是非、東北に行った際には薬王堂にお立ち寄りください。笑

香田の運ちゃん

そして、庄内平野真っ只中の国道345号線を迷うことなく、まっすぐ歩きます!

ロケ地ではないですが、「山形県」そして「庄内平野」と、言えばやはり映画「おくりびと」で、本木雅弘演じる小林大悟が鳥海山をバックにチェロを弾くシーンが思い出されます。

同じ平野でも、新潟平野とは違った様相が楽しめます。

19日目 12:00〜

国道345号線から、国道47号線に道を切替え、新庄市内に向かって歩きます。

左手に最上川、行手は山と森一色の景色になってきました。

道も歩道という歩道が無くなってきました。

これは流石にまずいかな・・・

と、これからの道のりを考え、焦りと恐怖から背中にスーッと汗が流れ始めた時です。

 

すみません!これからどこ行くんですか!?
この先めっちゃ危ないですよ!?

 

私の横に一台の中型トラックが止まり、中から40代前半と見られる、香田晋似の爽やかなトラック運転手が話しかけてきたのでした。

続く

次回予告

えー。

次回予告と書いてますが、何一つ話せないくらい、次回は急な展開を迎えます!笑
是非、次回この旅1番の急展開をお楽しみください!

「vol.31 涙のおむすび」をお読みいただきありがとうございました(^^)

続きはこちら↓

 

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事