スポンサードリンク

毎朝の通勤電車。

スマホを見るのもいいですがあまり続けていると目が疲れてきます。

さりとて、揺れる上に混んでいる車内で読書というのも気が引けます。

特段どこを、というでもなく視線をさまよわせていると、必然的に目に入ってくるものがあります。

そう、広告です。

雑誌や書籍の宣伝、自社や事業のPRから意見広告に至るまで、私たちは電車の中で様々な情報に触れることができます。

いや、半ば強制的に触れさせられていると言ってもいいかもしれません。

今回は意識・無意識問わず、普段目にしている広告の言葉について考えていきます。

札幌の電車マナー広告

この度、お彼岸に伴って地元北海道に帰省の折、札幌市内の地下鉄でこのような広告を目にしました。

電車内のマナー向上を訴えるこちらの広告。

なるほど、リュックの持ち方と動物の特徴をうまく組み合わせたキャッチ―なものに仕上がっています。

「こいつはいいなあ。」

と、細部まで目を凝らしてみると、

なんとこちらの広告は札幌市内の高校生によって製作されたものであるということがわかりました。

「こいつはタマゲタなぁ。」

工夫の凝らされた広告に感心しつつ、

自分もそういえば幼い頃「山火事注意!」を呼びかけるポスターを描いたなあ……

そんなことを思いながら、しげしげと眺めていたのですが……

ひとつだけ気になることを見つけてしまいました。

正確な言葉?

それは広告に書かれた文言。

「通行の妨げなどにならないよう、荷物は前に抱えるか、手に持つなど、まわりに配慮しましょう。」

「など」が2個もあるのが残念だ……!

こう思ってしまったのです。

……

何を細かいことをと思われるかもしれません。

しかし、曲がりなりにも私も文章を書いて(小さく)発信している立場。

言葉の扱い方には(これでも)気を付けているつもりです。

確かに少々、神経質すぎる部分もあるかもしれませんが、

私としてはかなりの違和感を覚えました。

一文に「など」が複数使われていようと、意味さえ通っていれば問題ないような気もします。

しかし、例えばこの文を「など」まみれにしてみると、

「通行などの妨げなどにならないよう、荷物などは前に抱えるか、手に持つなど、まわりに配慮などしましょう。」

こうなります。

意味は通っていますが、これでは曖昧過ぎて何を伝えたいのかよく分からなくなってしまいます

曖昧さを回避するためには、なるべく一文中の「など」の使用は一回にとどめておくべきだと私は感じています。

こうした「語の重複」に限らず、「ら」抜き、「さ」入れ、助詞「の」の多用など……

言葉の乱れは、いつの世においても指摘されています。

もちろん、時代の変化に応じて言葉も変化していく、というのは一つの道理でしょう。

しかし、広告が公共の場において多くの人の目に触れる以上、

なるべく曖昧さや誤解を生じさせない正しい言葉を使って情報を正確に伝えてほしい、と思うのです。

こんな広告、アリ?

情報の正確さ、という点で考えてみると、つい先日とてもおかしな文言を目にしました。

それはとある脱毛サロンの広告で……

「満足度が高いと思う脱毛サロンNo.1は譲らない。

というものです。

公式HPより

この広告にはどこか違和感がありませんか?

……

はたしてどういった機関による調査なのか?

誰を対象に行われたのか?

満足度が高いと「思う」脱毛サロン?(意図的かはわからないが、文字が小さくされている)

……

疑問は増すばかりです。

その疑問を解消すべく、公式HPを覗いてみました。

すると満足度だけでなく、様々な部門でこの脱毛サロンは1位を獲得していることが宣伝されていたのです。

初心者でも通いやすいと思う脱毛サロン No.1!

低価格だと思う脱毛サロン No.1!

予約がとりやすいと思う脱毛サロン No.1!

乗り換えにオススメだと思う脱毛サロン No.1!

通って後悔しないと思う脱毛サロン No.1!

短期間で効果が出ると思う脱毛サロン No.1!

満足度が高いと思う脱毛サロン No.1!

安心・安全だと思う脱毛サロン No.1!

店舗がきれい、清潔感があると思う脱毛サロン No.1!

プランが豊富だと思う脱毛サロン No.1!

卒業まで早いと思う脱毛サロン No.1!

夜遅くまで通えると思う脱毛サロン No.1!

学生にオススメだと思う脱毛サロン No.1!

と、これらの部門で一位を獲得しているそうです。

すべての部門に「思う」とついていることはさておき、まあすごいことなのだろう、と、この時は思いました。

よく見てみると、結果一覧の下にこの調査の詳しい情報が掲載されていました。

※マイナビウーマン調べ 調査期間:2019年6月14日〜6月27日 調査対象:20〜24歳女性の327人

※本調査結果は当社会員へのアンケート結果に基づいています。

……

いやいや。ちょっと、待て。

「当社会員へのアンケート結果」ということは、つまり利用者に限定された調査であるということです。

これは言ってしまえばアイドルのファンクラブ会員に、

「このアイドルのこと好きですか?」

と聞いているようなものではないでしょうか?

これではこの調査はとても恣意的なものなのではないか、と思えてしまいます。

 

さらに言えば、回答者はこの会社以外の脱毛サロンを利用したことがない可能性もあります。

つまりNo.1!、No.1!、No.1!順位を強調しているにもかかわらず、

必ずしも他の脱毛サロンとの比較検討の上ではじき出されたアンケート結果ではないのです。

もちろん「アンケートの結果、1位であった」ということは事実なのでしょうが、

この脱毛サロンが他に比べて優れているということを証明するものではないはずです。

 

しかし、電車内で何気なくこの広告を目にした人はどう思うでしょう。

きっと「満足度No.1」と見たとき、

「なるほど、ここは他と比べて、良い脱毛サロンなのだろう」

と、思ってしまうのではないでしょうか。

 

法律がどうなっているかはわかりませんので、あくまでもこれは私個人の感想となりますが……

私にはこの広告が著しく公正さを欠いているように思えます。

事実の一部を切り取って伝えることで、不当な評価を得ようとしているように感じました。

言葉のチカラ

人間は言葉によって動かされ、また言葉によって導かれます。

『修証義』第4章「發願利生」では

愛語能く廻天の力あることを学すべきなり

と、言葉は帝釈天(めっちゃ強い神)すら変えてしまうほどの強い力を持っていることが説かれています。

正しい言葉は人を正しい方向に導くことができますが、

誤った言葉は人を誤った方向に導きます

だからこそ、惑わさぬよう、惑わされぬよう、

普段から正しい言葉を使い、また受け取った言葉をしっかりと見極めながら生活していきたいものです。

 

ちなみに……

最初に紹介したポスターは札幌市交通事業振興公社による市営交通マナーポスター2019の最優秀作品です。

これ以外にも、ユニークなポスターがいくつも紹介されておりましたので、是非ご覧ください。

久保田のお気に入りはこれ↓

それではまた!

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事