永平寺の1年の流れについて解説!

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今回は、前回YouTubeで配信した「修行道場の1年の流れについて」お送りします。

動画を見た方でも、わかりにくかった方はどうぞこちらもご覧ください。

Contents

1年の流れは?

修行道場の1年は、制中せいちゅうと呼ばれる期間と、解間げあいと呼ばれる期間に分かれます。

制中は5月から8月までと、11月から2月までの3ヶ月間、

解間は制中が終わった、8月から11月まで、2月から5月までのそれぞれ3ヶ月に分かれます。

つまり、3ヶ月おきに制中、解間、制中、解間という1年の流れになります。

制中とは?

制中とは、結制中の略で、制約を結ぶと書きます。

この結制とは、お釈迦時代の時代から続く集中修行期間のことを言います。

約2600年前、お釈迦様がいらっしゃったインドでは、7月から10月頃、雨季の期間に入ります。

インドの雨季は、日本の梅雨と比べ物にならない位、雨が降ります。

雨が降るということは、昆虫やカエルやヘビなどが活動するため、外に出て歩くと不用意に踏み潰してしまう可能性があります。

物理的にも大雨が降ると外に出られなくなりますが、不要な殺生を避けるために、この期間、修行僧たちは一定期間、一定の場所で集団生活を行います

このことを安居あんごと呼びます。

雨季や夏の時期に行われるので「雨安居」「夏安居」とも言います。

最初は雨季の期間のみ、夏のみ行われていましたが、仏教が中国、日本と伝わってくる過程で、冬にも安居を行うようになりました。

そして、安居に入る制約を結ぶということから制中と呼ぶようになりました。

この期間が先ほどお伝えした通り、3ヶ月間は基本的に外に出ることなく、修行に専念することになります。

永平寺の場合は、5月7日に制中に入って、8月の7日までの3ヶ月間が、夏安居(夏制中)。

そして、11月3日から2月15日までの3ヶ月間を、冬安居(冬制中)の期間としております。

他の修行道場では、若干制中に入る日、解制になる日の違いはあるものの、大体はこの期間が制中となっています。

この制中期間は、首座という修行僧のリーダーを立てて修行を行います。

首座は、3ヶ月間の修行方針や1日の流れやなどを決めることになります。

なので、厳しい首座だったら厳しい制中、ゆるい首座だったらゆるい制中と、その時の首座によって色合いが変わってきます。

引用:全国曹洞宗青年会 HPより

解間とは?

この制中以外の期間を、結制を解いている間と書いて、解間という期間になります。

この解間の期間に、新しく修行を始める人は永平寺に入り、また修行を終える人は永平寺を降りることになります。

永平寺で修行を始めることを「上山」、永平寺で修行を終えることを「下山」と言いますが、解間以外に上山したり、下山することはできません。

しかし、地方の修行道場、専門僧堂では、通年認めているところもあるそうです。

また、修行僧はずっと永平寺にこもって修行をしているわけではなく、お盆の期間など実家のお寺が忙しい場合1週間の他出を認められる場合があります。

夏制中が8月9日までなのも、お盆前に制中が明けないと、他出ができないといった理由もあります。

ただ、全員が全員他出できるわけではなく、1年目はお経点検を受かった人や、永平寺から許可された人のみ他出できます。

なので、私も1年目の時はとにかくお経を覚えることで必死でした。

ただ、今の永平寺では1年目の修行僧は、お盆の他出が認められていないそうです。

まとめ

このように、修行道場では制中と呼ばれる期間と、解間と呼ばれる期間に分かれるとうお話をさせていただきました。

ただ、集中修行期間の制中だから厳しい、他出ができる解間だからゆるいというわけではなく、1年通して毎日しっかりと修行はしているので、その点はご注意ください!

次回は、永平寺の1ヶ月の流れ、1日の流れいついてお話をする内容ですので、どうぞ動画もブログの方もお楽しみにしてください。

修行道場における1年の流れをお読みいただきありがとうございました!

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