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禅宗である曹洞宗の修行の特徴の一つに「作務さむ」があります。

お釈迦様がおられた頃のインドの僧侶は、世俗を離れるという意味であらゆる労働が禁じられていました。

しかしそれは、出家者が修行在家者が布施と、はっきり役割が分担できた土地柄だからこそ可能なことでした。

在家者は食事や住まいなどを出家者に布施することで功徳を積めるという信仰が根づいていたため、僧侶は労働をせず、修行に専念することができたのです。

ところが、中国ではそうはいきません。

中国では出家という習慣がないどころか、親孝行と子孫繁栄を不可能にすることから、強い反発もあったようです

そうなると、僧侶は掃除も食糧の確保も料理も、あらゆる労働を自分で行わなければなりませんでした。

そこで、禅宗の寺院では修行に必要な労働を「作務」として、修行の中に組み込んでいったのです。

そんな中国の禅宗の流れを組む曹洞宗にも、作務は大切な修行です。

草刈りや庭掃きはもちろん、料理や参拝者の受付係経理などの事務仕事や広報誌の編集など、実に様々なことを「作務」として行っています。

ところが、修行道場以外では作務というと「お寺の」掃除という印象が強く、「その環境で自分が作すべき務め」という認識はあまりされていません。

そこで、禅活-zenkatsu-では東京で僧侶として活動をしている身としての「作すべき務め」としてハロウィンのゴミ拾いを行いました。

これを皮切りに、この【禅活の作務】では「お寺の庭掃除」で終わらない、広い意味での作務に取り組んでいきたいと思います。

第一回となる今回は、曹洞宗から生まれたシャンティ国際ボランティア会(SVA)の「絵本を届ける運動」に参加してきました!

SVAと絵本を届ける運動について

今回、作務をさせていただくのは、シャンティ国際ボランティア会(SVA)さん。

SVAは、1980年に「曹洞宗国際ボランティア会」として発足したNGO(非政府組織)です。

カンボジアの難民キャンプでの支援に始まり、アジア諸国での支援活動を展開し、のちに「シャンティ国際ボランティア会」と名を改めました。

そして、「曹洞宗」の名が付かなくなったのは決して曹洞宗と関係がなくなったわけではなく、それ以降も曹洞宗及び各寺院と協力し合いながら活動を続けてこられました。

そして昨年、正式に曹洞宗と改めて相互協力の関係を結ぶこととなったのです

SVAに関する詳しい情報は、ホームページをご覧ください。

絵本を届ける運動

そんなSVAの活動は、発展途上国と呼ばれる諸国や難民キャンプの支援が中心で、フェアトレードによる民芸品の販売や学校設立など、様々ですが、現在特に活発なのが「絵本を届ける運動」です。

教育が受けられないということは、就職や夢を実現させる上で大きな足枷となり、負のスパイラルを生みます。

また、字が読めないことで命の危険に晒されることも少なくありません。

そんな中で、SVAさんは絵本に着目し、現地の図書館に寄付をしたり、移動図書館という形で子供たちに届ける運動をはじめたのです。

日本語の絵本の上に、現地の言葉で描かれた訳文シールを貼り、各地に届けるのが、「絵本を届ける運動」です。

SVA製作のこちらの動画をぜひご覧ください。

難民キャンプで暮らす子供たちがこれほどまでに目を輝かせるとは、私たちも思っていませんでした。

そしてその輝いた目は、私たちが行動を起こすには十分すぎるほどの動機となったのでした。

禅活の「絵本を届ける運動」

今回、SVAさんにお邪魔したのは禅活の男子校コンビ、久保田&西田

2月5日、二人は「絵本を届ける運動」のお手伝いをしに、国立競技場からほど近いSVA事務所を訪れました。

実はSVAさんとは曹洞宗総合研究センターとしてもお付き合いがあり、過去に数回「絵本を届ける運動」に参加したことがあります。

この「絵本を届ける運動」は、申し込みのあった個人、企業、寺院、団体などに作成セットを発送し、参加してもらう形式になっています

つまり、「絵本を届ける運動」の前に、発送をする為の諸々の準備が必要なわけです。

そこで、今回の作務は『「絵本を届ける運動」を届ける運動』ということです!

それでは実際の作業の様子を見てみましょう!

当日の様子

午前の部

AM10:30、SVA事務所に到着した二人は、まずは絵本を管理している倉庫で、送付先に必要な数をピックアップします。

今回は複数の送付先への絵本を合計約150冊を発送するようです。

絵本のピックアップを終えると、今度はカバーを外し、落丁等のチェック

絵本の内容の深さに驚きながら、チェックを進める二人。

ちなみに、西田のオススメは手前の「おおきくなるっていうことは」だそうです。

(Amazonリンク) 

ボランティアに協力してくれる人や団体がいて、それを読む子供たちがいるのだから、チェックは入念に、丁寧にします。

午前中はこの作業で終了しました。

午後の部

今度は、午前中にピックアップした絵本の訳文シールのセットを取りに再び倉庫へ。

今回は4ヵ国語分の訳文シールを取り扱うので、間違いのないようにピックアップします。

そして、訳文シールや説明書き等がセットになったこちらを再びチェックします。

セット数や印刷ミス等がないよう、慎重に慎重に。

また、この日はインターンの学生さんや、ベテランのボランティアさんも作業されていました。

一通りのチェックを終え、発送担当の職員さんにお渡ししたあとは、この運動に関する細々として作業をして、あっという間に17時になり、この日の作務は終了となりました。

今回の作務を振り返って

今回二人が特に驚いたのは、一つのボランティアにかかっている人手や労力の多さです

これまでに30万冊以上の絵本を海外に届けてきたこちらの「絵本を届ける運動」。

以前参加した時は、作成セットを用意するのにこれほど時間や手間がかかっているとは思ってもみませんでした

本当にただ絵本を届けることだけを目指すなら、わざわざこんなに手間をかけず、どこか一箇所で人を集めて行えば済む話です。

しかし、こうして手間をかけ、丁寧に発送するのは、ボランティアを通してより多くの人に海外の現状を知ってもらい、それによって少しでも子供たちの状況を改善したいというSVAさんの願いがあるからでしょう。

今回は「絵本を届ける運動」というボランティアのサポートという形で参加をさせていただきましたが、誰かが人を想って行動を起こす為のお手伝いができたことは非常にありがたいことでした。

それは、広く考えれば地球を修行の場として活動する私たち禅活にとって、とても意義のある作務であったからです

二人をご担当いただいた清原さん、禅活とSVAをつないでくださった日比さん、そして温かく迎えてくださったSVAの皆さん、ありがとうございました!!

禅活では今後も様々な作務に取り組んでいきます!

「絵本を届ける運動」に参加したい方はこちら

○SVAの各種情報は以下の通り○

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Twitter→@sva_1981

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