ハロウィンゴミ拾い作務レポート

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10月31日、例年過激さを増していく渋谷のハロウィン

渋谷区が早めの帰宅を呼びかけたものの、今年は軽トラックの横転や逮捕者が出るなど、多数の問題が起きました。

その中でも毎年問題になっているゴミ問題に取り組むべく、禅活メンバーが東京で暮らす僧侶の「作務(さむ)」として早朝の渋谷でゴミ拾いをしてきました。

 

Contents

AM5:45 ハチ公改札前交番集合

今回集まったのは、禅活のメンバー4名曹洞宗総合研究センターShojin-Projectの有志4名、そして縁あって浄土真宗から1名の計9名の僧侶。

私は5、6年前の大学生の頃に行って以来、ハロウィンの渋谷には足を踏み入れていませんでした。ニュースではその様子を知ることができるものの、実際の状況はというと…。

 

…なんと。

ここに突入するのか…。

電車は動いていてもまだまだ仮装をした人で溢れています。

私たちは作務衣で集合したのですが、周囲からは一種の仮装に見えていたかもしれません(笑)

 

AM6:00 ゴミ拾い開始

渋谷区では2015年から「ハロウィンごみゼロ大作戦」を行っており、バスケットボール通り(旧センター街)を中心にエコステーションの設置やゴミ袋の配布など行っています。

今回私たちは軍手やゴミ袋などの用具は持参し、拾ったゴミはエコステーションに持って行くという形で参加しました。

そしてグループを2つに分けてゴミ拾いを開始しましたが、気づいたことがあります。

 

ゴミが落ちていない!!

 

初めは持参した袋に入りきらないような状況を想定していましたが、目立ったゴミはほとんど落ちていません。

その代わりにそこにあったのは、仮装をしながらゴミ拾いをする若者の姿でした。

ボランティアでゴミ拾いをする方がいることは知っていましたが、正直これほどいるとは思っていませんでした。

AM6:30 ゴミの中に見つけた、ハロウィンの「闇」

目立ったゴミはないものの、自動販売機のゴミ箱に収まらない、分別もされていないゴミや、細かいたばこの吸い殻などはたくさん落ちています。

そして私がが自動販売機と壁の間に落ちていたゴミを拾っているとあるものが出てきました。

それは免許証、保険証、キャッシュカード、Suicaなどの身分証やカード類でした。

おそらく盗難にあった財布から捨てられたものでしょう。

ハロウィンで問題になっている盗難という「闇」の部分がゴミの中に垣間見えてきたような気がします。

AM7:00 クラブ・ホテル街方面へ

大通りのゴミはほとんどなくなっていたため、我々は路地を入っていきました。渋谷のクラブやホテルが密集するこのエリアではラッパーのZeebra氏を中心にクラブ関係者でゴミ拾いを行っているため、全体的にはきれいになっているもののやはり、ちょっとした隙間などにはまだまだゴミが落ちています。

特に、他のボランティアさんが拾わなかったたばこの吸い殻などの細かいゴミは良く見るとかなり落ちていました。

AM7:30 終了

その後もゴミを拾い歩き、再びハチ公広場に集合すると、9人でこれだけの量のゴミを拾うことができました

新聞社やテレビ局の取材なども受けつつ、エコステーションにゴミを引き渡し、ゴミ拾いは終了。

満員電車に乗り込み、いつもの日常生活へと戻っていくのでした。

ゴミ拾いから見えた作務の意義

今回、ゴミ拾いをした背景には、禅活の活動の3本柱の一つ、作務というものがあります。

作務とは、禅宗の僧侶が、修行生活を成り立たせるために行う、労働や務めのことです。

一般的には作務=掃除と思われがちですが、作務とは「作すべき務め」と書きます

つまり自分という人間が自他のためにできること、なすべき行い全てが作務なのです。

Zeebra氏は、ハロウィンについて「大切なのは業界内に自浄作用があるかどうか」だと言っています。

楽しんだり、騒いだりすること自体が問題なのではなく、それに伴って犯罪が起きたり大量のゴミ捨てられたりという「傷跡」を残してしまうことが問題だということは、現状を見れば良くわかります。

ただ一方で、ハロウィン後のゴミ拾いも一つのイベントとなりつつあります。

今回直接現地でハロウィンと関わる中で、仮装をしながら楽しそうにゴミ拾いをする若者や、道行く人の「普段の渋谷よりきれいじゃね?」という言葉と出会いました。それは今後の変化の予兆なのかもしれません。

ニュースを見て呆れ、怒り、憎しみ、ただただ外側からハロウィンを批判するだけではなく、自浄作用が伴うように自分が楽しみながら参加してみることも一つの手なのかもしれない、そんな発見がありました。

そしてもう一つは、道端にゴミがあるのが当たり前ではないという環境を築いていくことの必要性を感じました。もちろんそれは都会では難しいなのかもしれませんが、仏教を学ぶ人間は及ばずともそんな環境の実現に向かって歩を進めることが重要だと思っています。

禅活のメンバーは普段、若手の僧侶として都内で勉強をしています。そこで今後は、東京に住む僧侶の「作務」としてゴミ拾いなど、環境改善につながる取り組みをしていく予定です。

 

 

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