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今年もこの季節がきました。

そう!

お盆です!

日本ではこの季節、会社もお盆休みになったり、学校も夏休みに入るなどして、実家に帰省する人、旅行にいく人など普段とは違う過ごし方をする人が多いのではないでしょうか?

世間では休みの期間ですが、お坊さんの私たちにとってはおそらく1年に1番忙しいと言っても過言ではないくらい、毎日汗を流す時期になります。

それは、多くのお寺で「棚経」と呼ばれるお勤めをするからです。

棚経とは、お盆やお彼岸の期間にお檀家さんのご自宅を伺って、1軒1軒お経をあげてまわります。

私も毎年この時期は、札幌のお寺の棚経をお手伝いさせていただいておりますが、今回の記事ではこの棚経でお檀家さんから言われた言葉について感じたことをお話します。

棚経とは?

まず初めに棚経について簡単にお話しします。

先ほどもお伝えした通り、棚経とはお盆の期間に、各家で設けている精霊棚もしくは仏壇の前で、お坊さんがお経をお読みする行事になります

お盆という行事の由来については、『仏説盂蘭盆経』というお経が基になっております。

簡単にお経の内容を説明すると、餓鬼道に落ちた目連尊者の母を救うために、お釈迦様の助言通り、僧自恣の日である7月15日に修行僧(お坊さん)を集めて、供物を献じて読経してもらうことによって、亡き母が救われたという内容です。

詳しくは、西田さんが過去に記事であげているので、そちらをご覧ください!

このお経が由来になっているため、古くからお盆の期間にはお坊さんを招いて、供物を献じて読経供養してもらうという慣わしがあったそうです。

そして時代は下り、江戸時代に寺檀関係が結ばれたことによって、お檀家さんの家を1軒1軒周り読経をするという現在の棚経の形となっていきました。

一説によると、隠れキリシタンを探るためだったとか・・・

それははっきりとはわかっていませんが、家々をまわるというのにはそうした理由もあったのかもしれません。

そして、棚経と一言で言ってもその地域、お寺で行い方は様々です。

例えば、8(7)月13〜15日のお盆の期間で全てのお檀家さんを回るというお寺もあれば、初盆や新盆のお檀家さんの家だけ回るお寺もあります。

他にも、申し込みがあったお檀家さんのみのところもあれば、棚経を行わずお盆の期間にお檀家さんを集めて法要を行うところもありますし、またお彼岸にも棚経を行うお寺もあります。

最近ですと昨年より発生したコロナウイルスの影響で棚経を中止したお寺の話もよく聞きます。

このように棚経と言っても、やり方に決まりがあるわけではなく、そのお寺によってやり方や読むお経など様々です。

お檀家さんからの言葉

私が手伝っているお寺ではお檀家さん全件行うのですが、お盆の期間だけでは回り切ることができず、8月1日から12日までかけて、数人のお坊さんで手分けして行います

大体私は、1日30〜40軒のお宅を伺うので、朝7時から夕方までほぼ休みなくお経をあげてまわります。

回る件数も多く、さらにコロナ禍ということもあり、お経をあげた後ゆっくりお茶をいただいたり、お話をしたりすることもできません。

なので、会話と言えば、

今年は暑いですね〜

オリンピック凄いですね〜

など二言三言交わす程度で、お経をあげてすぐにお暇するという形になってしまいます。

しかし、短い会話の中でもたまにこのように言われるお檀家さんがいらっしゃいます。

それは、

いや〜とても安心しました〜
という言葉。
お檀家さんからすると何気ない一言なんでしょうけど、確かにその表情からはとてもホッとしたような安堵の様子が伺えます。

仏教にとっての安心

一般的には安心(あんしん)と読みますが、仏教では安心(あんじん)と読みます。

何か不安なことや心配事が起きた時に仏法の力によって心が平安な境地になることを安心(あんじん)と言います。

私も、一般の方に坐禅や写経を体験してもらったり、また仏教の話をした後に「心が軽くなりました」と言われることがあるのですが、まさしくこれが仏教においての安心なのではないかと思います。

お仏壇前でお勤めをしたことによってお檀家さんは安心(あんじん)を得られたのではないかと思います。

それは、ご先祖さまにご供養できたことによってホッとできた気持ちもあるでしょうし、不安が多い世の中で今年もこうして無事にお盆を迎えられた気持ちから発せられた言葉なのかもしれません。

棚経では、坐禅をしたり仏教の教えを伝えたり、悩みを聞いたというわけではありませんが、お坊さんとしてお経を読んで回向をするということに対して安心(あんじん)を与える功徳があると実感した瞬間でした

棚経をする上での自覚

棚経という行事は、お坊さんの心持ちとして夏の暑い中、黒い衣を纏って休みなく家々を回ることなので楽なことではありません。

暑さと疲労でボーッとしてしまうこともしばしばあります。

また、お坊さんに対してのクレームがあるとよく聞きますし、またお檀家さんからも来る時間が早い!遅い!や心ない言葉をかけられることも多くあります

しかし、この5分ほどの読経の時間を心待ちにしてくれている人もたくさんいると感じることが大多数です。

だからこそ、1件1件しっかりと姿勢を正して声を出して心を込めてお経をあげて回向をするということが、何よりも求められることなのかなと思います。

ご先祖さまの供養とご家族様の安心(あんじん)に携わっていると責任感を持って、これからも棚経を務めていきたいと感じたのでした。

今回は、棚経で感じたことをつらつらと書かせていただきましたが、最後までご覧いただきありがとうございました。

 

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