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今年の夏は、何回泣くのだろうか。

オリンピックでの感動の数々。

特に野球好きの私にとって、侍ジャパンが金メダルを取った瞬間は興奮と感動で涙が自然と溢れてきました。

そして、いつもはお盆明けに甲子園は終わってしまうのですが、オリンピックがあったこと、雨の順延により、8月後半に差し掛かっても甲子園の熱い夏が続いています。

こんなにゆっくり甲子園が見ることができるのはいつ以来だろうか。

お盆の時期が1番忙しいお坊さんにとっては嬉しい誤算となり、毎日のように球児たちの姿に涙しています。

そんな中8月23日。

甲子園で史上はじめて女子高校野球決勝戦が行われました。

グランド入りした瞬間の彼女たちのハツラツとした姿にすでに目頭が熱くなっていた私ですが、熱い思いのまま今回は女子高校野球決勝戦で感じたことをお話したいと思います。

女子硬式野球と甲子園

女子硬式野球というのはあまり聞いたことが無い人も多いと思います。

全国高等学校女子硬式野球選手権大会の第1回大会は1997年に行われ、7回大会までは東京や埼玉の球場で行われてきました。

第8回大会からは、兵庫県丹波市の球場で行われて、そこが女子硬式野球部の聖地となっており、実は今回の大会で25回目の開催となります。

しかし、やはり高校野球の聖地といえば甲子園。

彼女たちの中でも、これまで甲子園の土を踏みたいという思いは強くあったのでしょう。

いや、野球をする人全てがここを目指すのは必然なのでは無いかと思います。

そんな中で、高校野球人口の減少の憂いと女子高校野球の発展を願い、昨年より日本高校野球連盟(高野連)と全国高等学校女子硬式野球連盟(女子高野連)や阪神甲子園球場、朝日新聞社などが協議を重ね、男子高校野球の日程の合間をぬって、女子硬式野球の決勝戦が行われることが決定しました。

以下、開催までの経緯が載っている記事を添付しますので、詳しくはこちらをご覧ください。

『「甲子園で決勝」訴えた女子選手 中学時代の夢は現実に:朝日新聞DIGITAL』

今回女子硬式野球初の甲子園の土を踏みしめたのは、過去にも優勝経験がある強豪「神戸弘陵高校」と、なんと創部3年目にして今大会初出場の「高知中央高校」

ルールは、イニングは7回まで、DH制の採用、ベンチ入りは25人までという男子とは若干の違いはありますが、もちろん球場の大きもそうですし用具に関しても同じものを使用します。

彼女たちの夏

午後5時。

球審の和田佳奈さんからプレーボールがコールされ、歴史的1戦の試合が始まりました。

その1球1球から、彼女たちの緊張と興奮と感動が伝わってきます。

そして、男子と遜色ないプレーに見ている私はただただ驚かされました。

ピッチャーも120kmに迫ろうという球速で、バッターのスイングスピードも本当に女子とは思えないくらいです。

ちなみに私の高校時代に測った最高球速が120kmくらいだったので、いかに彼女たちの投げる球が速いのかがお分かりいただけると思います。

最近の、男子高校野球のレベルが高すぎて150kmとか160kmとか記録されていますが、地方大会だと120kmほどのピッチャーも結構いるので、女子野球のレベルでも通用するのでは無いかと思ってしまうくらいです。

そして、何より彼女たちの楽しそうにプレーする姿が印象的でした。

ここにくるまで、朝から晩まで野球のことを考え、苦しい練習にも耐えてきたことでしょう。

しかし、そんな辛い日々すらも忘れてしまうくらい、この一瞬一瞬が楽しくて仕方がないといった表情です。

試合は、神戸弘陵高校の勝利で幕を閉じましたが、今後の女子硬式野球の大きな一歩となる一戦になったことでしょう。

試合の様子は以下サイトより見れますので、興味ある方は是非観てみてください。

引用:バーチャル高校野球

私はこの熱闘甲子園を見るたびに泣いています。笑

高校野球規定の壁

日本高校野球連盟は大会規定を以下のように定めています。

○第5条

  1. 参加選手の資格は、以下の各項に適合するものとする。
    1. (1)その学校に在学する男子生徒で、当該都道府県高等学校野球連盟に登録されている部員のうち、学校長が身体、学業及び人物について選手として適当と認めたもの

と、しています。

つまり、高野連が主催し、甲子園で開催される夏の全国高校野球大会には、男子生徒のみの出場と定められており、女子生徒はベンチ入りも認められていません。

今回の決勝戦は女子高野連主催の試合として開催されました。

もし女子生徒で甲子園のグランドに立つのであれば、記録員という形でユニフォームではなく、制服であればベンチに入ることは許されます。(記録員としてベンチ入りが認められたのも1996年から。)

2016年に行われた、第98回全国高校野球選手権大会での出来事です。

大分高校の事前練習で、女子マネージャーがノックの補助でボールを渡していたところ、大会関係者からグランドから下がるように促され大きな物議をかもし出しました

理由としては、危険防止の観点から大会規定で定められているというものでした。

引用:日刊スポーツ

甲子園とジェンダー

経験者からお伝えしますと、確かに硬式球を使用した高校野球はめちゃめちゃ危険です!

私自身も、高校時代ボールが体にあたりアザが消えることはありませんでしたし、チームメイトにボールが当たって歯が折れててしまった、骨折してしまったなどの大小の怪我は日常茶飯事でしたし、また過去には硬式球が胸に当たって高校球児が死亡してしまうというケースもありました。

よく石を使っているようなものと例えられますが、本当にそれくらい硬いのが硬式球なのです。

ましてや先ほどもお話した通り、超高校級と呼ばれる男子高校生になると150kmを超えるボールを投げてきて、それをバットの芯で捉えたとなると、それ以上のスピードで守っている野手に襲いかかります。

ただでさえ危険なスポーツになるので、女子生徒を守るという名目で大会規定が定められているのは頷けます。

しかし、危険であることはそれは男子生徒も一緒なはずです。

この時はなぜ女子マネージャーだけ禁止なのかというところが、論点の分かれ目となりました。

結局「大会規定に準じているため」ということで、女子マネージャーはグランドに立つことは許されませんでした。

現在では、「ユニフォームではなくジャージか体操服」「ヘルメットをかぶること」「内野付近ではなく、外野やファールゾーンであれば、甲子園での練習補助が認められています。

しかし、依然として甲子園で行われる高校野球は男子生徒しかプレーをすることが許されていません。

もちろん、部活動で女子生徒が男子生徒に混ざって硬式球で練習することは大丈夫ですが、3年間泥だらけになりながら、白球を追い続けたとしても、ベンチにも入れない、プレーすることができない、甲子園の土を踏むことができないというのが現状でした。

女子野球のこれから

女子生徒が甲子園でプレーをするには、全国に40ほどしかない女子硬式野球部がある高校に入学しなくてはいけないですし、現状では決勝戦のみしか行われません。

限られた選択肢、狭き関門を突破したチームだけが許されているのが甲子園という舞台なのです。

しかし、今回女子高野連主催で甲子園で行えたということは、女子高校野球の新たな光となったことは確実でしょう。

この試合を見て、野球をやりたいと思う方もいると思います。

また、高知中央高校の松本里乃選手は動画投稿アプリ「TikTok」でフォロワー数85万人を超えるティックトッカーとしても有名で、彼女の投稿を見て、女子野球に興味を持ったという人も少なくないのではないかと思います。

自分の夢を追いかけながら、そして多くの人に野球の素晴らしさを知ってもらうためにSNSというツールを使いながら野球をする彼女の姿勢には、とても見習うべきところがあります。

『高校球児ザワさん』という女子生徒が高校野球をする漫画がありますが、今後さらにこうした女子高校野球を題材とした漫画が出てくるかもしれませんし、「高校球女」という言葉が一般的になる未来もそう遠くないような気がします。

同じ高校野球をやっていたものからすると、夢の舞台「甲子園」という場所は、ジェンダーに関係なく誰もが平等に目指せるものであればいいなと思います。

今回は、女子高校野球決勝戦を見た、熱い感情のままに思ったことを書かせてもらいました。

余談ですが・・・

完全に仏教の話を全くしてなかったので、最後に補足としてちょっとだけお話します。

ジェンダーフリーの波というのは、当然のように私たち曹洞宗の中でも起こっています。

それは、これまで厳格に男性、女性の修行道場が分かれていたのですが、最近では地方の専門僧堂を中心に女性でも一緒に修行できる場所が増えてきているという話を聞きました。

そうなると、もし今後女性の出家者の方で永平寺や總持寺で修行をしたいといった時に両本山ではこれまで通り女人禁制を行うのか、もしくは女性も修行できるように環境を整えていくのか。

もしかしたら今後修行道場の規定も変わってくるのではないか?

余談ではありますが、今回の甲子園を見ていて少しそんなことを考えさせられた出来事でした。

 

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