スポンサードリンク

禅活のマンガ番長こと久保田によるおすすめマンガ紹介記事。

「このマンガを読んでほしい」。

前回は「三丁目の夕日」をご紹介いたしました。

第2回目となる今回は、日本SFマンガ界の巨匠、

松本零士先生(以下、敬称略)による「天使の時空船~レオナルド・ダ・ヴィンチの伝説」(全7巻)をご紹介いたします。


(Amazon商品ページへ)

松本零士のマンガ

松本零士のマンガというと、真っ先に思い浮かべられるのは、

「宇宙戦艦ヤマト」「銀河鉄道999」

「キャプテンハーロック」

「クイーンエメラルダス」

などの、SFマンガでしょう。

宇宙の彼方イスカンダル……

果て無き銀河の終着駅……

無限に広がる大宇宙を舞台に繰り広げられる、

圧倒的スケールの物語に魅了されたという人は少なくないことでしょう。

いつ終わるとも知れない、ロマンにあふれた無限の旅路。

松本零士の描く宇宙とその物語は、

時に切なく、時に激しく

さながら一人の人間の人生を味わっているような感動を与えてくれます。

公式HPより

松本マンガの魅力はそれだけではありません。

作品中に登場する宇宙船や、「ザ・コクピット」に描かれる実在兵器など、

命の通った緻密なメカの描写は、

他ではなかなか見ることができません。

特に銀河鉄道999のコックピットに代表される、

計器類のカッコよさは

「松本メーター(零士メーター)」

なる言葉まで生み出しました。

さらには宇宙戦艦ヤマトの森雪や、

銀河鉄道999のメーテルなど、

エロティックで、

ミステリアスで、

時に母性を感じさせるヒロインたちの魅力も、

松本マンガに欠かせない要素です。

 

物語のスケール、

メカの描写、

ヒロインの魅力……

これらだけでも松本マンガは充分に魅力的です。

ですが……

 

ここで断言します!

松本作品の本当の魅力は、そこではありません!

 

松本作品の魅力は……

登場人物たちの「生きざま」です!

 

特にその魅力を色濃く反映しているのが、

ボロアパートの四畳半でたくましく生きる住民たちを描いた、

「男おいどん」「元祖大四畳半大物語」

「大純情くん」「恐竜荘物語」など、

いわゆる四畳半モノと呼ばれる作品群です。

ちっぽけな生活空間に希望と夢とロマンを詰め込んだ四畳半モノこそ、

松本零士を語る上で決して外せない作品であると言えるでしょう。

公式HPより

つまり、

松本零士のマンガの魅力とは……

 

どんな時代にあっても、

どんなに不遇でも、

押し入れのパンツにキノコが生えようとも、

力強く!

愉快で!

暖かい!

SFとメカとエロに彩られた、

豪快な人間マンガ!

それが松本マンガです!

「天使の時空船~レオナルド・ダ・ヴィンチの伝説」ストーリー紹介

さて、今回ご紹介する「天使の時空船」

作者の松本零士さんは60年以上マンガを描かれており、

「宇宙戦艦ヤマト」「銀河鉄道999」

「ザ・コクピット」など、

大ヒットを飛ばした作品がある一方で、

掲載誌や、扱うテーマの関係上、

あまり知られていない作品もあります。

そしてこの「天使の時空船」も、

恐らくは、埋もれてしまったものの一つ

数ある松本零士のマンガの中で久保田がもっとも好きな作品なだけに、今回は何とかしてその魅力をお伝えしたいと思っています。

まずは、あらすじのご紹介から。

SFコミック界の巨星・松本零士が天才レオナルド・ダ・ヴィンチの謎多き生涯に挑戦する!!
幾世紀もの未来。人類の生存する大銀河系は宇宙の「崩壊断面」へ遭遇していた。
そこからすべり落ちれば「無の暗黒」へ飲み込まれすべてが終わる……。
破滅までに残された時間はあと30年!
リサーチの結果、これを救える人物はアインシュタインでもキューリーでもフォンブラウンでもなく、天才レオナルド・ダ・ヴィンチのみ!
1452年夏、寒村ヴィンチを飛んでいた“蚊”の吸った血液から「彼」を再生させるプロジェクトが、ミナミ教授指揮のもと行われようとしていた。
ミナミ教授の考えに反対するマミア・ルナ・螢子(けいこ※螢の文字虫→火)は、計画実行の直前、復元機(レプリカートパンドラ)を破壊し時空船(タイムクルーザー)でレオナルド・ダ・ヴィンチの生きていた時代へ向かう。
彼女はレオナルドのそばでそのすべてを学び、もう一度未来に戻ると言うのだが……。

Amazon商品ページ:第一巻あらすじより)

いかがでしょうか。

私ほどの松本零士ファンになると、

「タイムトラベルに歴史ロマン!しかも、宇宙の崩壊断面だって!?まさに松本零士の髄の髄じゃないか!なんてこった!ワクワクが止まらないぜ!」

と、感じてしまうところなのですが、

はっきり言ってこれだけでは、

SFに親しみのない人にとっては

何のことやらさっぱりわからないと思います。

「天使の時空船」の魅力

あらすじではまったく伝わらないと思いますが、

ともあれ「天使の時空船」は出色のSF作品です。

記事の初めに、松本マンガの魅力を長々と紹介しましたが、

そのすべてが「天使の時空船」の隅から隅までぎっしりと詰め込まれているのです。

過去、現在、未来……あらゆる時空を越えて展開される物語のスケール

時空船などのメカの描写。

天才レオナルドの生涯を見守る登場人物たちが織りなすストーリー

そして、それぞれに事情を持った登場人物たちの「生きざま」

これだけ揃っているマンガが面白くないわけがありません。

 

さらに、おそらくはこの作品、作者の松本零士さんは「相当ノリノリ」で書いていたと久保田は考えています。

作中に松本零士さん自身が頻繁に登場するのもその証拠と言っていいでしょう。

マンガを描いている作者さんが、どのようなテンションで作品をしたためているのか。

これはかなり重要な要素で、敏感な読者にはそれが何となく伝わるものですし、

作者さんが楽しんで書いているモノは、やはり面白くなるケースが多いと思います。

 

また、松本零士のマンガは、どちらかと言うと

「男の子向け」な作品が多いのですが、

この作品は、

ヒロイン目線で語られることが多く

女性が読んでも楽しめるような内容となっています。(もちろん好みはありますが)

内容的に、松本零士のマンガを初めて読む!という方には伝わりづらい部分も多いかと思うのですが、

「松本零士のマンガは好きだが、これは知らなかった」

という方には、是非読んでいただきたい作品です。

読む際の注意点→大人になるな!

最後に、読む際の注意点をひとつ。

 

「大人になるな!」

 

これは「天使の時空船」に限らず、どのマンガを読む際にも言えることです。

子どもの頃に大好きだった作品が、

大人になるとその「粗さ」が目に付いて楽しめなくなる

ということは、ままあります。

セリフの文法や、イントネーションがおかしい。

理論が間違っている。

細かい作画崩壊。

特段意識しているというわけでもないのに、

つい目についてしまう、作品の「粗」

これらは、作品を楽しむ際の、いわば「雑音」です。

逆に、大人になったことで無茶苦茶な理屈自体を楽しむという読み方ができる場合もありますが(ゆでたまご先生の作品とか)

作品を鑑賞する際に、身に付けた知識や経験が邪魔になってしまうのです。

 

「粗(あら)がある作品は、要するに、作りこまれていないということでしょう?」

このように思う方もいるかもしれません。

しかし、果たしてそれは正しいのでしょうか。

 

思い返してみてください。

幼い頃大好きだったアニメで、敵が最後に放った必殺の一撃が、

「こんなこともあろうかと」あらかじめ用意しておいた空間磁力メッキで跳ね返されることがあっても、

いきなり興ざめということにはならなかったと思います。

それどころか、

「いつもの2倍のジャンプをすればパワーも2倍になり、3倍の回転を加えればパワーも3倍になる!」

と、登場人物が確信をもってその身を投げ打ったときには、

「そんな、無茶な」

と、思うよりも、

「うおお!なんて凄いんだ!」

と胸を踊らせることができたのではないでしょうか。

作品が「粗い」と感じてしまうのは、作者の勢いやその瞬間のインスピレーションを素直に叩きつけているから。

そう考えると、「粗さ」は決してネガティヴなものではなくなるはずです。

 

「天使の時空船」にも「ちょっと無理があるのでは?」

と考えたくなる箇所はありますが、

些細な疑問はすべて飲み込んでしまうくらいの大きな気持ちで、読み進めていただきたい。

このように思います。

最後に

とはいえ、冷静に読み返してみると、

この「天使の時空船」は松本零士のマンガの入り口としては、

相応しくないような気もしています。

もし、この記事を読んで、初めて松本零士のマンガを読んでみようという方がおりましたら、

「銀河鉄道999」

「ザ・コクピット」

あたりから始めていただくのが、無難かもしれません。

 

私自身、「天使の時空船」の面白さに気が付いたのは、

家の本棚に置いてあった単行本を、

何度も何度も読み返したあとのことでした。

複雑に入り組んだストーリーに、

説明不足と思える箇所もあり、

決して万人受けするような作品でないのも事実です。

また、久保田にとって「天使の時空船」が特別なのには、

もう一つ事情があります。

それは、生活圏にこのマンガを入荷している書店がとても少なく、入手が困難であったこと。

何店も本屋さんをめぐり、

探しに探して買い求めた「天使の時空船」の新刊は、

それがまるで、たった一つの宝物であるかのように輝いていました。

 

久保田の思い入れであり、

思い出の一冊「天使の時空船」。

願わくは、このマンガがさらに多くの人によって素晴らしい出会いとなりますよう。

おすすめの記事