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禅活-zenkatsu-では月に3つのワークショップを主催しています。
その中でも、禅活-zenkatsu-発足以前から行なっている最も息の長いワークショップが【ほっと晩ごはん】です。
このワークショップでは毎月、季節や仏教行事に因んだ献立をご用意していますが、今回の献立のテーマはズバリ「秋の味覚」。
一体どんな献立になったのか、ここでは10/16(水)当日の様子をレポートいたします!
Contents
今回の献立
秋の味覚 from 岩手
このワークショップではメンバーの実家や地元で採れた食材を使うことが多いのですが、今回は深澤の地元・岩手県花巻市で採れた新米、さつまいも、かぼちゃを送っていただくことができました。
お母様、ありがとうございます!
そしてここにしめじやミョウガを加えてできた今回の献立がこちら。
・しめじご飯
・かんも汁
・かぼちゃと厚揚げの煮物
・菜っ葉と糸こんにゃくの炒め煮
・つけもの
しめじご飯は、新米としめじ、油揚げを薄口醤油とお酒で味付けして炊いた永平寺の超鉄板メニューです。
今が旬のきのこは特にいい香りがするので、薄味にするのがポイントです。
そしてかんも汁というのは、私の母の実家である伊豆諸島・八丈島の料理。
「かんも」とは何かというと、八丈島の方言でさつまいもを指します。
そのさつまいもと、現地では「ねり」と呼ばれるオクラの仲間、そしてミョウガなどをいれたお味噌汁が「かんも汁」なのです。
また、「ねり」は通常のオクラよりも細長くて柔らかい品種で美味しいのですが、都内ではなかなか手に入らないので今回は通常のオクラを使用しました。
さつまいもの甘みとオクラから出るとろみがミョウガの風味と相まってなんとも優しい味になります。
出汁やお味噌は通常のお味噌汁と変わらないので、簡単で美味しく作れるオススメの一品です。
当日の様子
このワークショップでは18:30からの受付が済んだ参加者様から、順次配膳や簡単な調理といった準備に加わっていただきます。
料理教室というよりは、みんなで食卓の準備をするイメージで、当日の作業はそれぞれ分担します。
お茶を煎って焼き茶を作る方、お皿を並べる方、漬物を切る方などなど、皆様のお力をお借りしてようやく食卓の準備が整うのが「ほっと晩ごはん」の特徴です。
今回は献立の都合上、配膳や調理の作業が少なく、非常にスムーズに配膳が完了しました。
そして19:00、改めて皆様にご挨拶をさせていただき、ワークショップが始まります。
今回は深澤が作法のご案内を担当。
ちなみに本田は仕事、久保田は発熱で今回は欠場でした。
その代わりと言ってはなんですが、今回は助っ人に同じ曹洞宗総合研究センターに所属する丹羽隆浩さんが来てくれました!
興味を持った和尚さんがこうして来てくれるのは嬉しいですね!
いす坐禅
挨拶が終わったところで、今回はまず、先日の台風第19号ので被災をされた全て皆様に黙祷を捧げました。
しばしの黙祷の後、日常生活から心を切り替える時間として改めて姿勢と呼吸を調え、イス坐禅をします。
背筋を伸ばして緊張させるのではなく、心の器である身体を調え、チューニングをします。
イス坐禅については先日坐禅コラムでも触れましたのでよろしければご覧ください。
5分ほどのイス坐禅を終え、姿勢をほぐして、いよいよ食事に移ります。
食作法
禅活のワークショップでは、日常生活にそのまま活かせる、次の3つの食作法を実践しています。
①食器やお箸は必ず両手で扱う
②箸先は人に向けない
③食べる時は器を口元まで持ち上げる
これは、せっかく曹洞禅の食の教えを実践するなら、その場限り・その時間限りになってはもったいないということで、禅活として『赴粥飯法』を解釈して考案した作法です。
これを守っていただきながらお食事を召し上がっていただきます。
静かでも息が詰まるわけではない食卓は初めての方は少し緊張されるかもしれません。
たしかに賑やかで楽しい食卓とは異なりますが、こうして食と向き合う時間は、忙しい時ほど心が落ち着く時間になってくるはずです。
新米!美味しい!
今回の注目は何と言っても岩手から届いた秋の味覚たち。
私が特に驚いたのは新米の美味しさでした。
少し柔らかめに炊き上がってしまったかな?という不安があったのですが、全く問題ありませんでした。
一粒一粒がしっかりしていて、存在感が凄まじい!
お米を噛んでる!という確かな食感と味わい深い甘さがたまりませんでした。
かんも汁もさつまいもの甘さが引き立っていて美味しい!
今回はいつもより再進(おかわり)をされる方が多かったのが何よりの証拠ですね!!
食事の最後には漬物とお茶で食器を綺麗にして、「食後の偈」をお唱えして終了。
大満足!ごちそうさまでした!!
茶話会&次回予告
食事の後は、お茶を飲みながら少しお話をさせていただきます。
今回、私西田がお話ししたのは、「食べ方を考えられるという環境の特別さ」です。
以前、【僧侶的よろずレビュー】でもご紹介したテレビ番組「ハイパーハードボイルドグルメレポート」や、昨今の軽減税率など、食べ方を選べるという環境がいくつもの前提によって成り立っているということをお伝えしました。
食べ物が手に入る
↓
食べる場所を選べる
↓
食器や食べ方を選べる
という条件が整ってはじめて食事作法が実践できると思うと、このワークショップ時間というのはとてつもなく恵まれた、贅沢なものなのかもしれません。
今回はそんなことを感じたままにお話ししたため、若干まとまりがなくて申し訳ありませんでした…。
半ば私の胸中の想い吐き出すような形で、今回のお話は終わり、最後に次回の告知などをさせていただいて、この日の【ほっと晩ごはん】は終了しました。
次回は11/27!
来月は11/27(水)の開催となります!
前日に曹洞宗総合研究センター学術大会での発表を終え、燃え尽きた私たちをぜひご覧ください!笑
お申し込みフォーム等は後日当ブログのページトップに掲載する【11月のイベント予定】からご確認ください。
それではまた来月、皆様と食卓を囲める日を楽しみにしております!
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