【永平寺から無一文で歩いて帰るもん。】vol.9 行けばわかるさ

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これは私、深澤亮道が福井から岩手までの700Kmを無一文で歩いて帰った物語である。

Contents

前回までのあらすじ

前回は、3日目の金沢駅での托鉢の時の心持ちや、橋の下で野宿をしたこと、そして富山までの道のりをお伝えしました。

そうしたところ・・・

なんと記事の最初にアリナミンの広告が出てきました!笑

たまたまなんでしょうけど、なんか応援されてる気分になりました。

アリナミンでどうこうなる距離と辛さではないですが、この時の自分にアリナミンを届けてあげたいです。

「ファイトー!いっぱーつ!」(違うか !)

前回の記事はこちらです。↓

バックナンバーは以下から読むことができます。↓

【永平寺から無一文で歩いて帰るもん。】

今回は、写真多めで富山県射水市までの道のりをお送りします。

金沢を後にして

4日目 am6:00~

今日は、歩く距離が長いこともあり6時に起床し、身支度を整えます。

橋の下で寝たので、川は目と鼻の先ですが近くに水道が無いため、洗顔や歯磨きができないので、なんともシャキッと気持ちを切り替えることができません。

昨日雨に濡れてそのままの足袋を履くのが気持ち悪いですが、そのまま足を通します。

次来た時は橋の下ではなく、しっかりと旅館を予約し、色んなところを観て回って、日本海の美味しい海鮮を堪能して金沢を満喫してやる!と心に誓い、この地を後にするのでした。

アントニオ猪木の言葉

この日は42km先の富山射水市串田新遺跡公園を目指し、金沢市から富山市に至る国道359号線を北上します。

出発して1時間半ほど歩いたところで、森本駅前の道を右折し富山県へと歩みを進めます

30分後、通り沿いにあったローソンで小休憩していた時にある事に気づきます。

やばい!道間違えた!

イメージ図

本当は、森本駅前を右折ではなく直進しなければならないところ、青看板に従いそのまま歩いてきてしまいました

このルート、距離はそんなに変わりませんが、実は緩やかな峠を超えるルートなんです

↑写真で言うと、上のルートが当初の予定で、下の青い印が付いているのが、私が間違えたルートです。

今でも鮮明に覚えています。

ここのローソンで気づきました。

「あれ、なんか山の方に向かっている?」と。

今から折り返してもまだ2.5km!

30分あれば、また道を間違えた森本駅前まで戻ることができます

「vol.3初日の挫折 」でもお伝えしましたが、峠を超えるのは抵抗があります。

車通りが多いルートの道の方が歩きやすいですし、何より峠は体力が奪われます。

 

そして10分ほど悩んで、私が出した答えは・・・

 

そのまま行く!

でした。

 

理由は・・・

一度歩いた道を戻りたくない!という強い気持ちが湧き上がってきたからです。

確かに、出来ることならば山道は通りたくありませんが、間違ったとはいえ自分が選んだ道です

多少苦しくても、この時は後戻りしたくない、ただただ前に進みたい

この時私は、アントニオ猪木が引退の挨拶として最後に残した言葉を思い出しました。

引用:マイナビニュース

迷わず行けよ、行けば分かるさ。アントニオ猪木

皆さんも1度は聞いたことがあるでしょう。

実はこの言葉、アントニオ猪木の座右の銘として有名ですが、浄土真宗のお坊さんの言葉が元となっていることはご存知でしょうか?

石川県白山市にある明逹寺の住職でもあった、清沢哲夫きよざわてつお氏の著書である『無常断章むじょうだんしょう』の「道」と言う詩から引用されているそうです。

最後の部分だけ、少しだけニュアンスが違うので引用させてもらいます。

わからなくても歩いて行け、行けばわかるよ。清沢哲夫

こちらの方が、少し柔らかい印象ですね。

アントニオ猪木が残した言葉は、実は仏教に深い関わりのある言葉だったことを考えると、世間一般に浸透しているのも納得できるような気がします。

私たちの身の回りには、数えきれないほどの仏教の言葉で溢れています。

それほど仏教の言葉というのは人々の心に残る”チカラ”があるのではないでしょうか。

そんな言葉を胸に、来た道を戻るのではなく、このまま峠に向かって歩き続けます。

行くぞー!1、2、3、ダァー!

災難の連続

pm12:00~

ご覧の通りのなだらかな山道が続き、正午頃に富山県南砺なんとに着いた時、再びある事に気づきます。

 

また!道間違えた!

イメージ図

なんということだ!

南砺市だけに。

はい。

すみません。

しかし、そんなことで挫けません!

迷わず行けよ、行けば分かるさ。

何回間違えても振り返りません。

映画「となりのトトロ」に出てきそうな田園道を、目的地に向かって前に前に歩きます。

pm1:00~

ようやく富山県小矢部こやべに入りましたが、正午頃からぐずっていた天気がついに、本格的な雨となりました

こりゃー、やべーな!

小矢部市だけに。

ちょっと強引すぎました。

すみません。

雨足の強さが私の行く手を阻み、思うように進むことができません。

雨宿りしながらも、様子を見て雨が弱まった時に少しづつ進みます。

その先に

pm15:00~

目的地まであと20km、まだ5時間はかかります。

道を間違えてかなり遠回りしているので、まだまだ辿り着けません。

少し焦りながらも、早足で歩きます。

そんな時、重い雨雲の隙間から、かすかな太陽の光が差してきました。

そして、私の目の前に現れたのは・・・

そう、です!

伝わりづらいかもしれませんが、カメラに収まりきらないくらい、大きくて端から端まで綺麗に繋がっている虹でした。

網代笠を被っているために、ほとんどは下を向いて歩いていますが、少し上を見上げた時にこんな綺麗な景色が広がっていました。

普段だったら、ただ虹がかかっているなーと思うだけです。

しかし、この時は道を2度間違え、そして雨に打たれて、落ち込みながら歩いていたため、この綺麗な虹に励まされた気がしました

15時間の行程

pm21:00~

富山県砺波市、高岡市を通り、ようやく目的地である射水市「串田新遺跡公園」に到着しました。

休憩を挟みながらではありますが、朝の6時半に出発して到着したのが夜の9時

この日の総歩行距離は当初の予定より8km長い、およそ50kmの道のりでした。

この「串田新遺跡公園」は、縄文時代の土器や、古墳時代の古墳群、住居跡が発見された史跡だそうです。

そのためとても範囲が広く、到着してから寝床を探すのが大変でしたが、やっと見つけた東屋に簡易テントをはり、寝袋を敷き詰めます。

この日は疲れすぎていて、逆に中々寝付くことができませんでした。

横になりながら、今日の出来事を振り返りました。

振り返らず歩いた道

この日、道を間違えた事により、遠回りではありますが、振り返ることなく前に前に歩き続けました。

もしかしたら、道を間違えた時点で戻っていれば、もう少し早く楽に辿り着けたかもしれません。

それでも、間違ったとしても歩き続けてよかったと思っています。

迷わず行けよ、行けばわかるさ。

今日歩いて何となくわかったことは、ただ道路を間違えただけではなく、これからの人生にも当てはまるのではないかと思いました。

私が選んだ道は、これからも色々な悩みや不安が出てくるかもしれません。

もしかしたら、この先「別の選択しておけばよかった」「ちょっと戻ってやり直したい」と思うこともあるかもしれません。

しかし、後ろを振り返って後悔して戻るより、遠回りしても前に進む事で気づくこともあるのかなと。

そして、そんな時こそ地道ではありますが、一歩一歩ゆっくり歩いていくことが大切なのかなと思います。

そうする事で、人の優しさや自然の美しさであったり、普段気づかない色々な事に気づかされます

そんな景色を見ながら歩いていれば、そのうち目的地には辿り着きます。

結局はどんな道でも、足を止めなければ繋がっているんですよね。

なんてことを考えながら、4日目は眠りにつくのでした。

続く

次回予告

今までで最長距離である50kmを歩いた、深澤亮道。

4日目にして悲鳴を上げつつある体を感じながら、もう少し余裕を持った行程を考えればよかったと、頭の片隅で思っています。

次回は、富山県黒部市までの道のりですが、実は次の日も50km歩きます。笑

まだまだ旅は続きます。

次回もお付き合いいただけたら嬉しいです!

vol.9「行けばわかるさ」を読んでいただきありがとうございました(^ ^)

続きはこちら↓

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