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前回、いよいよ新疆ウイグル自治区に突入した一行。
4日目となるこの日は吐魯蕃の仏跡を巡ります。
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世界で最も暑い場所、吐魯蕃
吐魯蕃で注目すべきは、なんと言っても気候です。
実は吐魯蕃は世界一高い気温記録した街で、その最高気温は47.8℃(非公式記録では49.2℃)。
年間でも35℃を超える日が100日以上あることから、「火州」とも呼ばれました。
最近は日本でも夏には40℃を超えることもありますが、吐魯蕃は湿度が低いので、気温は高くても日本より過ごしやすいです。
特産のぶどうはあちこちで売られ、ワインや干しぶどうなども有名です。
また、過半数がウイグル族である吐魯蕃の人々の顔つきはアジアよりも中東に近く、言葉も中国語とウイグル語が混在しています。
また、前回日照時間が長いとご紹介しましたが、吐魯蕃の人々は日の出まもなくからお昼まで仕事や学校に行き、太陽が最も高くなる13時〜15時頃まではシエスタという休憩時間があるそうです。
ざっと基本情報をご紹介したところで、早速吐魯蕃レポート、いきます!
火焔山!
吐魯蕃で迎えた朝。
日の出が早く、6時にしては異様に外が明るいことに驚きます。
そしてお楽しみの朝食。
ビスケット的なやつの種類が豊富で昨日までの敦煌とはまた違う食文化を感じます。
さて、この日向かうのはどちらも西遊記にゆかりのある場所です。
まずはじめに向かうのはベセクリク千仏洞。
この石窟がある場所は火焔山といい、気温が高くて頂上が燃えて見える、という由来があります。
実はこの火焔山、西遊記で牛魔王と孫悟空が戦い、芭蕉扇で火を消した山のことでもあります。
「ドラゴンボール」では、亀仙人が初めてかめはめ波を見せたフライパン山のモデルですね。
その道中も圧巻の景色です。
観光地として西遊記推しをしようとしたのか、孫悟空の銅像やテーマパーク?もあります。
ベゼクリク千仏洞
岩山の中を進んでいくと急に現れるのが、この日最初の目的地ベゼクリク千仏洞です。
ベゼクリク千仏洞には5世紀~12世紀にかけて掘られたとされる、77の石窟からなる仏跡です。
塗料なども翡翠のような色使いが目立ち、シルクロードらしい、文化の入り混じった独特な壁画を見ることができます。
ただしここも、仏像や壁画の保存状態が良いとは言えません。
敦煌とは違い、このベゼクリク千仏洞の場合は、トルキスタンの方からやってきたイスラム文化圏の人々によって壊されてしまったものがほとんどです。
イスラム教では偶像崇拝を禁じており、特に「眼」を嫌がったことから、仏像のほとんどが頭を取られ、壁画も眼だけくりぬかれている、という状態です。
そうした意味でも、ここが文化の交差点であったことを感じることができます。
僧侶、バギーで大はしゃぎ
ここベゼクリク千仏洞に入る時からずっと気になっていたのが、これ。
バギー!!!
一人100元(約1000円)で火焔山を走り回れるとのことですが、遊びにきたわけではないので…
乗りました。
ラクダにも乗れるようですが、全員がバギーを即決。
みんなで割り勘で4人乗りを選ぶ中、S-Laboの編集長でもある本多さんに至っては別料金を払って二人乗りを選びました(笑)
仏跡感はありませんが、この旅一番の盛り上がりを見せる僧侶たちでした。
アスタナ古墳群
次に訪れたのは、当初予定になかったアスタナ古墳群。
ガイドのコウさんの知り合いがいるからとのことで、急遽決まりました。
さてここは古墳で貴族のものだけでなく一般市民の埋葬もされており、実際にミイラも見ることができます。
中にある壁画や装飾品などで、埋葬された人の身分がわかったそうです。
高昌故城
次に訪れたのは、高昌故城です。
故城という名前ですが、城跡ではなく460〜640年まで存在したかつてのオアシス都市の遺跡です。
ここを訪れたのはこの方にゆかりがあるためです。
わかりませんよね(笑)
これは玄奘三蔵、西遊記の三蔵法師の像です。
玄奘三蔵が経典を求めてインドに向かう途中、ここ高昌にとどまり説法をしたことがあったそうです。
ここでもシャトルバス?に乗ってかつての都市の跡を巡ります。
そして一番奥、王宮と隣り合って仏殿の跡があります。
ここで玄奘三蔵が般若経典を持ち帰ったことに感謝を込めて、般若心経をお唱えします。
ここも仏殿跡とはいえ、仏像は全く残っていません。
仏殿の中央に位置するこの棚には、もともとすべて仏像が収まっていたそうです。
そしてここが玄奘三蔵が説法をしたとされる場処。
土でできたこの街は修復が難しく、現状維持という形でしか保存する術はないそうです。
半年経った今の時点でも崩れてしまった部分があるかもしれません。
まさに諸行無常です。
休憩中のご飯屋さん
さて、当初予定になかったアスタナ古墳群をガイドのコウさんがブッこn…案内してくれたので、少し予定が押して14時頃にようやくお昼ご飯。
立派なお店!これは楽しみだなあと思いながら入るとなにやら人気がない。
ようやく現れたお店の方も明らかにやる気がない。
途中に通った個室の客席では店員がまかないを食べている。
なんだここは!と思ったらこの時間は冒頭で触れたシエスタのど真ん中。
予定が遅れたせいでお店を訪れたのはみんなが本来休憩する時間。
こちらが非常識な客だったんです。
そして出てきた料理は…。
冷めてる。
スープの味がない。
うーん…シエスタ中だからなのかそういうお店だからなのか。
真相は闇の中へ…。
ダイソンの如く全ての料理を吸い込んでいた若手メンバーの箸もさすがに止まってしまいました。
偽ブランド品だらけのデパート
昼食後、一度ホテルに戻って休憩をとり、夕方からは買い物へ!
バザールがあるとのことでしたが、一度途中のデパートに立ち寄り、服などを物色。
やはり偽物だらけです。
SupremeとジョーダンとヴィトンのコラボTシャツが100元(約1000円)でした(笑)
ただ、この偽ブランド商品についてガイドの張さんがこんなことを言っていました。
「ウイグル自治区の人は決して裕福ではありませんが、若者がおしゃれをしたいと思うのはどこの国でも変わりません。しかし正規品はとても手が届かないので、偽物でせめてものおしゃれを楽しんでいるのです。」
確かに、この旅の途中でNIKEの正規品のスニーカーを目にすることがありましたが、食事が一食10元(100円)程度のこの地域で1000元(1万円)と、とても手の届く金額ではありません。
日本では偽物は消費者の敵であり絶対悪ですが、ここでは必ずしもそうは言い切れないような気がしました。
さて、筆者はここではTシャツ(ブランドではない)を一枚購入。
200元と言ってたのがすぐに90元になりました。
バザールへ
再びバスに乗り込んでバザールに向かいます。
入り口ではIDチェックがあり物々しい雰囲気ですが、中は開けていて活気があります。
ここでは禅活メンバーの本田さんと二人で探検隊を結成し、とにかくウロウロ。
ナンやパンのようなものがたくさん売られていて、暖かいうちに食べるととても美味しいです。
他にも漢方や楽器や服や小物など、とにかく色々なものが売っていてとても楽しい!
吐魯蕃の人々はとても気さくで暖かく、「ヤフシムスズ(こんにちは)」「ラグメッ(ありがとう)」と下手くそなウイグル語で話しても明るく答えてくれます。
晩ごはん〜散歩
晩ごはんはホテルでいただきます。
お昼が不発だった分まあ食べる食べる!
敦煌までは中華っぽさもありましたが、吐魯蕃までくると味付けも香辛料がふんだんに使われます。
またイスラム文化圏であることから豚肉が出ることはまずありません。
基本的にお肉は鶏か羊です。
感想としては、とてもおいしい!
また、お酒が好きなメンバーは現地のお酒「バイチュウ」を飲んでいましたが、飲めない私は専らスプライトでした。
お腹もいっぱいになり、少し休憩をしてから、みんなで散歩へ。
湿度が低く心地良い夜風に当たりながら街を歩きます。
基本的にほとんどお店は空いてませんが、公園で体操をしている人やお酒を飲んでいる人がいたりと、昼の日差しが強い分夜に外出をしている人が多いようでした。
また、この辺りでは車道と別にバイク用の車線があります。
免許が必要なくヘルメット着用の義務もないので、バイクがかなり普及しており、二人乗りのバイクがたくさん走っていました。
最後に商店のようなところで、みんなそれぞれにまずそうな飲み物品評会をしてこの日は終了。
新疆ウイグル自治区、吐魯蕃での1日を終えるのでした。
vol.5へつづく。