【僧侶的よろずレビュー#12】鬼滅の刃(アニメ)

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僧侶の視点から世の中の色々なものをレビューしていく【僧侶的よろずレビュー】

前回はハンセン病差別を題材にした樹木希林さん最後の主演作「あん」をレビューしました。

ここまで映画が続いたので、今回はすこーしだけ趣向を変えて、アニメをご紹介します。

ご紹介と言っても今大ブームになっているアニメなので、まだの方は観るきっかけに、すでに観た方は楽しみ方の一つとしてご覧いただければと思います。

…しかし最近この企画、ほぼAmazonプライムビデオの紹介になっているので、そろそろ他にも開拓しなくては…。

Contents

#12 アニメ「鬼滅の刃」

鬼滅の刃。

SNSやコンビニ、書店でこの名前を頻繁に聞くようになったのは、昨年頃からだったでしょうか。

鬼滅きめつやいば」は週刊少年ジャンプで2016年から連載が始まり、2019年にはアニメ化、今年10月には映画化も決定している、吾峠呼世晴さんの作品です。

今回はアニメをご紹介しますが、こちらの原作も私の地元の書店では「一人一冊まで」という限定つきで販売されるほどの人気だそうです。

あらすじ

舞台は大正時代。

炭を売り歩きながら家族を支える心優しい少年・炭治郎たんじろうは、鬼によって家族を皆殺しにされてしまいます。


(炭治郎〈公式HPより〉)

しかし、最愛の妹・禰豆子ねずこだけは鬼にされてしまいました。

その原因を探ると、一人の鬼によって血が注がれていたことが原因であることがわかります。

しかし、鬼は再生能力が凄まじく倒すことができるのは、日光か「鬼狩り」が持つ刀のみ。

炭治郎は家族の仇を討ち、禰豆子を人間に戻すべく、鬼狩りの道へと歩み始めるのでした。


(禰豆子〈公式HPより〉)

面白かったこと

実はまだアニメシリーズも最後までは観ていないのですが、現時点で面白いと思ったところをまとめてみます。

呼吸が重要な要素になっている

作中の「鬼狩り」には、「水」「雷」「けだもの」などの流派があり、それぞれの流派にはそれぞれの「全集中の呼吸」があることがわかっています。

例えば、主人公の炭治郎は「水」の流派に属し、技を出す時には「全集中 水の呼吸」を使います。

この「全集中の呼吸」というのは、ざっくりいうと特殊な呼吸法で酸素を多く取り込み、超人的な力を発揮できるというもの。

私はこの表現からこの人物を思い出しました。


(出典:http://blogs.c.yimg.jp/)
そう、皆さんご存知400戦無敗の男、ヒクソン・グレイシーです。

ブラジルの柔術一家、グレイシー一族の中でも特に伝説的な総合格闘技選手である彼は、トレーニングの中にヨガを取り入れていたことが知られています。

その中でも、呼吸はとても重視していたようで、細胞の回復力を高める「火の呼吸」を試合前におこなっていたのだとか。

「火の呼吸」、なんだかすでに「鬼滅の刃」感ありますよね。

実は呼吸の仕方と動きというのは非常にリンクしていて、作中の登場人物も「水」ならゆっくり細く「雷」は歯を噛み締めながら漏らすように「獣」は鼻から勢いよく、というようにそれぞれの流派の技に合った呼吸をしているんです。

そしてさらに、焦ったり怖かったり痛かったりという追い込まれた場面で呼吸に集中するというのはとても理に適っていて、心を落ち着けるには身と呼吸を落ち着ける、「調身・調息」の坐禅に通ずるものがあると思ったのは私だけでしょうか?

坐禅に通ずるかはさておき、「鬼滅の刃」ブームと共に呼吸に注目が集まるのは、何かと不安の多いこの時代にはいいことかもしれませんね。

鬼達の悲哀

登場する鬼達はみんな残虐で、人を食べれば食べるほど人間の頃の記憶は薄く理性を失っていきます。

しかし、鬼狩りの中でも特に心優しい炭治郎に斬られた時、鬼達は人間の頃に抱いていた怒り・悲しみ・寂しさ・コンプレックスといったものが溢れ出てきます

そして、最後の最後に人間の頃からずっと満たされなかった心が、敵すらも思いやる炭治郎の優しさに触れて満たされ、涙を流して消えていくのです。

「人間の頃に炭治郎のような人と出会えていたら…」そう思わずにはいられない鬼の最期には、心が揺さぶられる方も多いことでしょう。

憎んでいた人、過ちを犯している人の「痛み」に目を向ける描写は、この作品の非常に示唆に富んだ部分といえるでしょう。


(鬼:響凱〈公式HPより〉)

ちょっと気になったこと

そんな、内容としては昨今のブームにも納得ができる「鬼滅の刃」ですが、ここからはちょっと気になったことを。

普段あまりアニメを観ない私。

一番最近観たアニメで「ワンパンマン」、その前は「あの花」くらいだったでしょうか。

やはり一番アニメを観ていたのは小学生くらいの頃で「デジモン」シリーズや「地獄先生ぬ〜べ〜」などが好きだった記憶があります。

そんな平成初期アニメが基準となっている私がこの作品を観た感想は…

画、綺麗すぎ!!

自然の描写だったり、建造物が、アニメらしからぬ異常な美しさで描かれていて、なんだかもう映画のようです。

「ONEPIECE」が劇場版の時だけ妙に背景が3次元な感じというか、なんというか。

伝わるでしょうか?笑

ともかく、アニメ原始人の私は戸惑ってしまうほどに画が綺麗だったというのが最初の感想です。

アニメらしい画が好きな私の感覚は、いつの間にか時代に取り残されていたのかもしれません。

そして、このアニメは小さなお子さんからも人気があると聞いていましたが、思ったよりも血が出る表現が激しくて驚きました。

少年誌の漫画なので元々R指定にはなってはいないと思いますが、かなり表現が露骨で、「北斗の拳」が可愛く思えるほどでした。

また、感情表現などもなかなか深いので、お子さんが観る時は大人がついてある程度ナビゲートしてあげたほうが良いような気がしました。

まとめ

「鬼と戦う」という日本では超超超定番の設定ながら、世間を席巻した「鬼滅の刃」。

クションの格好良さや、情景の綺麗さ、程よいコミカルさなども含め、観る人によって色々な楽しみ方ができるところが、この作品の魅力なのかもしれません。

久しぶりに観たアニメは、驚くほど画が綺麗で、表現が奥深い作品となりました。

☆こんな人にオススメ☆

・ジャンプ系のストーリーが好きな人

・ちょっとしたホラーやショッキングな表現が欲し人

・このタイミングでがっつり時間を使って何かを観たいという人

 

*参照リンク
公式ホームページ

 


(Amazon Prime Video)


(コミックス)

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