「ブックカバー・チャレンジ」が回ってきた!

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今年の2月以前とは大きく変わった私たちの生活。

禅活-zenkatsu-の活動も、ワークショップからウェブでの発信が中心になりました。

こうした状況下で、SNSで増えてきたのが「バトン」です。

一つのお題に関する投稿をSNS上でつながっている人へと回していく、いわば「ハイテクしりとり」のようなものでしょうか。

そんなバトンの一つに「ブックカバー・チャレンジ」なるものがあります。

これは自分が読んだ本のカバーの写真を7日間投稿し続けるというもの。

Facebookでチラホラ投稿を見かけるようになり、「みんな本読んでるんだなあ」と思いながら自分に回ってきたら7日分も投稿できるだろうか、と勝手に不安に思っていました。

するとその日は突然やってきました。

修行中に宿泊客の食事を作る部署にいた時に指導をしていただき、今の活動の基礎を作ってくれた方から、そのバトンは回ってきてしまいました。

と、いうことで今回はFacebookに投稿した「ブックカバー・チャレンジ」レビューを書き加えてここにまとめたいと思います。

Contents

ルールとハードル、そしてバトン

ブックカバー・チャレンジにはこんな定型文でルールが添えられています。

【ブックカバー・チャレンジ】
読書文化の普及に貢献するためのチャレンジ。
ルールはつぎの3つ。
〇好きな本を1日1冊、7日間投稿する
〇本についての説明なしに表紙だけの画像をアップ
〇毎日1人のFB友達を招待して参加

以上のルールに沿って投稿し、本日10日で最終日を迎えました。

今になって「あの本もあったな」とチョイスを少し悔やんでみたりしていますが、それはまた記事にしたいと思います。

基本的に人に何かを勧めることは好きみたいですね(笑)

それでは前置きが長くなりましたが、私の「ブックカバー・チャレンジ」をご覧下さい。

1日目「バンクシー 〜アート・テロリスト〜」

一冊目は、記事としても何度か取り上げたグラフィティ・アーティスト、バンクシー(Banksy)についての一冊です。

彼の活動や、知られざる正体に関する考察がなされていて、バンクシーのやろうとしていることやメッセージを汲み取るには非常に参考になります。

また、国によるアートに対する姿勢の違いなども面白いです。

最近、Instagramの投稿で再び話題となっているバンクシー。

彼がくすぐろうとしているものは、誰もが持っていて、尚且つ認めたくはないもののような気がします。

 

この投稿をInstagramで見る

 

. . Game Changer

Banksy(@banksy)がシェアした投稿 -

「バンクシー 〜アート・テロリスト〜」

毛利嘉孝著(2019年、光文社新書)


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2日目「殺生と往生のあいだ〜中世仏教と民衆生活〜」

2日目は、私の活動の課題の一つ、「肉食」に関連した書籍です。

仏教学ではなく、歴史や文化の視点から日本の中世で殺生をどのように捉えていたかを探っていく、私には非常にタイムリーな一冊。

同じ動物性食品でも、大型哺乳類、小型哺乳類、鳥類、魚類では扱いが異なっていたり、当時の僧侶の様子も知ることができて「肉を食べるということ」の執筆でも非常に参考にさせてもらいました。

少しマニアックな内容にはなりますが、オススメです。

「殺生と往生のあいだ〜中世仏教と民衆生活〜」

苅米一志著(2015年、吉川弘文館)


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3日目「バチバチ」シリーズ

3日目、ここで漫画が登場するわけですが、ただの漫画と侮るなかれ。

人生では稀に魂が震える漫画というものと出会えることがありますが、まさにこの「バチバチ」シリーズこそが私にとってはそんな一冊です。

登場人物たちの苦悩や葛藤、そんな闇を照らす言葉が、読者の心を痛いほどに打ちます。

しかしこのシリーズクライマックスに差し掛かったところで、作者の佐藤タカヒロさんが急逝してしまい、未完の名作となっています。

その結末は見届けたかったけれど、続きは私たち一人一人の中にある。

そんな受け止め方をしています。

外出自粛の今だからこそ、読むことを強くオススメします。

 

「バチバチ」シリーズ

「バチバチ」(全16巻)

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「バチバチBURST」(全12巻)

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「鮫島、最後の十五日」(全20巻)


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佐藤タカヒロ作(秋田書店)

4日目「ナナメの夕暮れ」

この日ご紹介したのは、お笑いコンビ、オードリーの若林さんによるエッセイ集「ナナメの夕暮れ」です。

私はよくオードリーのお二人のラジオを聞いているのですが、若林さんは以前こんなことを語っていました。

「親父が隠れて(亡くなって)から、物事をナナメに見るのをやめた。」

物事に対して斜に構え、流行に乗る人を笑っていた自分の「ナナメ」な物の見方をしていたという若林さん。

しかし、お父上が亡くなって人の有限さを知り、そんな物事の見方がもったいなく思えた、それが「ナナメの夕暮れ」です。

とはいえ、全編堅苦しい人生哲学のようなものではなく、ごく自然な日常の一場面を切り取るエッセイ集なので、非常にスラスラ読めます。

 

「ナナメの夕暮れ」

若林正恭著(文芸春秋、2018年)


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5日目「みえるとかみえないとか」

後半に差し掛かった5日目は、以前【僧侶的よろずレビュー】でも取り上げた絵本作家ヨシタケシンスケさんの作品です。

人は体や性格の違いで、時には優劣をつけたり、レッテル貼りをしてしまうことがあります。

この絵本では、主人公は宇宙で様々な特徴を持った宇宙人と出会い、仲良く過ごすにはどうすればよいかを考えます。

「違いとはなにか?」を考えることができる、大人も楽しめる一冊です。

 

「みえるとかみえないとか」

ヨシタケシンスケ・伊藤亜紗著(アリス館、2018年)

 


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6日目「仏性とはなにか」

6日目。

ここで再び仏教書へと戻ってきまして、以前【肉を食べるということ】で曹洞宗にとっての「いのち」を考える上で重要な仏性ぶっしょうに関する一冊。

昨年刊行されたものですが、仏性研究で有名な高崎先生が、仏性というものを非常に噛み砕いて説明してくださっています。

どれから手を付けたら良いか迷っている方にオススメです。

「仏性とは何か」

高崎直道著(法蔵館、2019年)


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7日目「ブッダ最後の旅をたどる」

実はこの記事を書いている時点ではFacebookにもまだ投稿していませんが、 最後にご紹介するのはこちら。

私が仏教を学ぶ姿勢に多大な影響を与えてくださった故・奈良康明老師ならこうめいの「ブッダ最後の旅をたどる」です。

このブログにも何度か登場している、お釈迦様の最期が描かれた『大般涅槃経だいはつねはんぎょう』というお経を奈良老師が非常にわかりやすく、解説されています。

この本を読んで、なんとなく手が付けにくかった仏典類を読むことができるようになりました。

仏教の基礎を学ぶことができるので、どなたにもオススメです。

「ブッダ最後の旅をたどる」

奈良康明著(大法輪閣、2012年)


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7日間で気づいたこと

こうして7日間、なんとかネタ切れをすることなくチャレンジは終了しました。

実は現在、普段通っている曹洞宗総合研究センターも在宅勤務になっているんですが、本のほとんどをそちらに置いてきてしまったので、手元にあまり本が無い状態でした。

しかし、これを機に久しぶりに開いた本の内容を、以前とは違った受け取り方ができたりと、新たな発見もありました。

データにして常にパソコンやタブレットに入れて持ち歩くのも便利ですが、過去に読んだ本の付箋やラインを見ると、当時の自分と再会した気分になれるので、それも本の良いところだなあと、しみじみ思ったりもしました。

ともあれ、7日間は無事に終了。

バトンを回してくださった方、受け取って下さった方、ありがとうございました。

 

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