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これは私、深澤亮道が福井から岩手までの700Kmを無一文で歩いて帰った物語である。
Contents
前回までのあらすじ
前回は、本編から脱線して、新潟県村上市のとある場所ですれ違ったとある旅人と、東京で再会するというお話しをさせていただきました。
つまり「え?人生でこんなことあるの?」という奇跡のようなお話です。
前回の記事はこちらから。↓
バックナンバーは以下から読むことができます。
今回は、新潟県最北端の村上市、そして「名勝 笹川流れ」を歩きます!
現在地
「あれ?今何日目?どの辺歩いてるの?」と思っている読者のために整理しましょう。
今、永平寺を出発して16日目。
450kmほど歩いた、新潟県は最北端の村上市にいます!
新潟県胎内市の増慶院から目的地である「道の駅 笹川流れ」に向かって歩いているところで、ちょうど日本海沿いの道に出たところです。
思い返してみると、海沿いの道を歩くのは、上越市以来なのでかれこれ1週間ぶりとなります。
目的地まではまだまだ先ですが、快晴の空の下、歩みを進めます。
嗚呼、日本海
ところで、皆さんにとって「日本海」ってどんなイメージですか?
私は太平洋側の岩手県で育ったので、あまり日本海に来たことがなかったのですが、なんとなーく日本海側って「詫びしい」「寂しい」「悲しい」イメージが少しありました。
なんでかなーと思っていたら、主に演歌歌手が日本海側を題材に歌っていることが多いような気がします。
五木ひろしさんの『ふりむけば日本海』とか、森昌子さんの『悲しみ本線日本海』とか、最近?で言えばジェロさんの『海雪』などなど・・・
私はあまり演歌を聞く方ではありませんが、おそらく紅白歌合戦などのテレビ番組や、父の聞いていた影響で無意識のうちにそんなイメージがついてしまったのかもしれません。
これはあくまでも「私は」という話ですが、行ったこともない土地や場所でも、知らず知らずところで勝手に連想されてしまうことって結構ありますよね。
太平洋側を代表する、サザンオールスターズが相対的な輝きを放っているのもあるかもしれませんが。笑
しかし今こうして日本海側を歩いていると・・・
そんな昔から抱いてきたイメージとぴったり合うんです!
つまり「哀愁」という言葉がそっくり当てはまる!
歩みを進めるたびに、だんだん、だんだんと民家の数も減ってきました。
「瓦屋根」と「杉板貼り」は、海からの塩害や強風に耐えるための特徴なのでしょう。
心なしか錫杖の「シャリンシャリン」という音も悲しげに響き渡ります。
名勝 笹川流れ
しばらく歩くと、目の前にそりたつ岸壁が見えてきました。
「なんじゃこりゃー!」
と、松田優作演じる「ジーパン」こと柴田純と同じ気持ちになりながら、太陽にではなく、その岩肌に向かって心の中で叫びます。
これ伝わりづらいですが、近づいてみると思いの外大きい岩山です。
そして、このあたりから日本百景「笹川流れ」が十数キロに渡って続きます。
笹川流れは、日本海の激しい波の侵食作用により、数々の奇岩、洞穴、絶壁が変化に富む海岸美を作り上げています。
地元岩手の浄土ヶ浜 を連想させるような景色が続きます。
綺麗は綺麗なんですけれども、風景美というより、自然の雄大さを感じさせられます。
私が歩いたのは、10月も下旬でしたが、おすすめはやはり夏だと思います!
海水浴はもちろん、釣りやキャンプ、遊覧船に乗って笹川流れを観賞することもできるそうです!
立地的には少し行きづらいところかもしれませんが、行って損はない場所だと思います!
野宿先を彷徨って
16日目 16:00〜
出発して、9時間。
ようやく目的地である「道の駅笹川流れ」に到着しました。
今まで野宿と言えば道の駅を目指してきました。
この日も例の如く、道の駅に行けば寝れる場所くらいあるだろうと、高を括って歩みを進めてきました。
やっと着いたー!
さて、寝床寝床・・・
が、しかし!
「思っていた道の駅となんか違う!」
と、いうことは、立地面積的にはそんなに大きい方の道の駅ではない。
さっきまで白色だった太陽が、哀愁のオレンジ色に変わっているではありませんか!
本当は早く寝床を探さなければならないのに、ゆっくり、ゆっくりと日本海に吸い込まれる太陽の美しさに見惚れてしまいました。