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前々回の採集編、前回の下処理編と3度に分けてお送りしてまいりました北海道山菜紀行もいよいよ大詰め!
とうとう今回が調理&実食編です!
早速、調理&実食の様子をお伝えしていきたいと思います!
Contents
フキと天ぷらの炒めもの
下処理も済んで、青々としたこちらのフキ!
今回はこれを炒めものにします。
前回、「下処理が終わればフキの調理は終わったも同然!」と言いましたが、
今回は天ぷら(さつまあげ)と一緒にお醤油で炒めます。
油を敷いたナベで、フキと天ぷらをさっと炒めて、
醤油、砂糖、ダシ(花カツオでも、ダシパックでもOK)、日本酒で適当に味付けすれば、
はい!完成!
食感 ☆☆☆☆
エグ味 ☆
ご飯に合う度 ☆☆☆☆
フキのシャキシャキした食感と天ぷらの味わいが絶妙にマッチした炒めものが出来上がりました!
タッパに入れて冷蔵庫にしまっておけば、数日の保存も効く、お惣菜のスグレもの!
新鮮なフキが手に入った際には皆様も是非お試しください!
スーパーで売っている山菜の話
ところで……
自分ではなかなか採りに行けないという方にとっては、フキ・ウドをはじめとする山菜はスーパーで買うものという印象が強いと思います。
季節になれば、フキの水煮や山ウドが割と「お高い」値段で売られているのを久保田もよく目にします。
しかし……
スーパーで買うものと、山に自生しているものとでは、別の植物!?と思ってしまえるほどの違いがあります。
食感や味の濃さも違いの一つですが、やはり最たる違いは「エグ味」でしょう。
採ってきた山菜特有の「エグ味」がスーパーで売っているモノにはほとんどないのです!
もちろん「エグ味」が苦手という方には、むしろスーパーで売っている者の方が美味しく感じられるという場合もあるのでしょうが……
里山育ちの久保田にはどうしても物足りなく感じられてしまうのです。
ただ「エグ味」の強いものばかり食べるのは、健康面ではあまりよろしくないようです。
健康にはよくないが、掛け替えのないひと味である「エグ味」。
次に紹介する3種のウド料理では、まさにその「エグ味」が大切な味わいになっています!
3種のウド料理!
さてさて。
下処理編では、ウドを「茎」「小枝の部分(と皮)」「葉とつぼみ」の3種に分けました。
今回はこの3種類を、
酢味噌和え!
きんぴら!
天ぷら!
に調理します。
ウドの酢味噌和え
では、さっそく茎の酢味噌和えから。
ボウルに味噌:砂糖を、1:0.6くらいの割合で投入し、混ぜ合わせます。(料理のさしすせそ?気にするな!)
ていうか、ぶっちゃけ分量は適当でいいです。
多少多くても、天ぷらのつけダレにできるので無駄にはなりません。
また酢味噌の味加減は非常に好みが分かれるところなので、決まった分量で作るよりも好みを優先するといいと思います。
酢を適当に入れて(隠し味に日本酒も少々)
よくかき混ぜたら。
はい!酢味噌の完成!(なんだこの表情)
これに、冷ました軸の部分を少しずつ投入。
混ぜ合わせていきます。
これで酢味噌和えは9割完成!
しばらく置いて味を染み込ませますが、ウドから水分が出ます。
食べる直前に、多目に作っておいた酢味噌をひとかけすれば、味が締まります!
食感 ☆☆
エグ味 ☆~☆☆☆(味の染み具合によって変動)
日本酒に合う度 ☆☆☆☆
冷凍保存にも適しているので、多く作っても安心です!
ウドのきんぴら
お次は、きんぴら!
枝の部分をフライパンに投入。
蒸し焼きにしてよく熱を通します。
砂糖をぶっかけ、
醤油をたらして、
一味をパッパッ!
それでは、味見をひとつ……
くう、エッグい!
はいできた!
エグ味 ☆☆☆☆☆~
ご飯に合う度 ☆☆☆
日本酒に合う度 ☆☆☆☆
ビールに合う度 ☆☆☆☆
これぞまさに「エグ味」大魔王!
エグ味の強い「皮の部分」が多く、さらに下処理の段階で水に晒した時間がもっとも短い!
あまりのエグ味のため、山菜に慣れていないと美味しくいただくことは難しいと思います!
(念入りにアク抜きをすれば大丈夫かもしれませんが、試したことがないのでわかりません!)
もしも、ウドのきんぴらと一緒にお酒を飲んだとしたら……
進んで進んで仕方のないことでしょう!
ウドの天ぷら
はい。
きました。
ウドの天ぷら。
これは最強のウド料理です。
よく、山菜の王様としてタラの芽が取り上げられ、
特に天ぷらの味わいが称賛を浴びますが……
ウドの天ぷらの前には、タラの芽の天ぷらなど子どものお遊戯も同然!ヘソで茶が湧くレベルです!(※あくまで久保田個人の感想です)
葉の部分はサクサクと小気味よい食感で、
枝の部分はホクホクまろやか、
そこにエグ味がまたとない味わいとして加わります!
さあ、さっそく作ってまいりましょう!
まずはボウルに冷水を入れ、塩コショウを振ります。
市販のてんぷら粉を軽く溶いたら、
ウドを投入し、
よく絡めます。
温度もOK。
いざ!
ジュワー……
熱した油にウドを投入すると、葉がふわりと広がり食欲をそそります。
ジュワワー
ジュワワワー!
一度ひっくり返し、パリッと揚がれば完成です!
食感 ☆☆☆☆☆
エグ味 ☆☆
サッポロクラシックに合う度 ☆☆☆☆☆
サクサク、ホクホクの食感、
油に通すことで、適度にエグ味も抑えられ、まさに極上の味わい!
こちらを今回は昆布塩でいただきます!
ゴクリ……
サクッ……!
!!
ンマ~イ!!!
こっちもンマ~イ!!!(※諸事情により一部画像に修正を加えております)
ごく短い間しか味わえない春の味覚。
皆様も是非ご賞味あれ!
めぐる季節と山菜
最後に、少しまとめのようなものを挿入して、本記事を終えます。
採集・下処理・調理と3週間にわたって山菜料理を紹介してきましたが、
この記事を書いている今は、ウドもフキもすっかり大きくなって食べるのが難しくなってしまいました。
わずか3週間で、山の様子もすっかり変わっています。
この間、
そろそろウドが本格的に出てきたかな?
セリも大きくなるころかも?
今時期は、山の奥に行かないといいフキはないかなあ?
と、山菜のことを考えながら、一方で季節の変化にも敏感な日々を過ごすことができました。
今は農業技術が進歩して、季節に関わらず様々な食物を口にすることができる時代です。
もちろんそれ自体が悪いことと言うつもりは毛頭ありません。
しかし、手軽さ・便利さは、
時に私たちが自然の恵みを受け取りながら生きているのだという真実を見失わせるようにも思えます。
常に変化しつつある中で、ご縁によって生かされている私たち。
自分で採ってきた山菜をいただきながら……
季節のものをいただくということは、人間にとってとても大切な意味があることなのだろうと感じられました。
久保田の北海道山菜紀行……終