
明日は8月13日。
お盆の「お迎え」の日です。
地域によって細かい風習は異なりますが、ご先祖をお迎えして16日にお送りする、というのは全国共通でしょう。
お盆が近づき、飾りつけやお掃除をされる方も多くいらっしゃるはず。
そこでおそらく問題になるのがお仏壇ではないかと思います。
これはどこに置いたらいいのか、これはどう掃除したらいいのか、何を供えたら…。
今回は、そんなお仏壇周りの基本となるアレコレをご紹介いたします!
Contents
香炉(こうろ)とは
まずはお仏壇に手を合わせる際には欠かせない、かつ最も使用頻度の高くなる香炉についてです。
香炉はお線香を立てるのに必要になるわけですが、普段手を合わせたり、たくさんの方がお線香を立てるうちに燃え残ったお線香の根元や灰でパンパンになってしまいます。
そこで、お盆を迎える前に香炉をきれいにしてみましょう!
香炉掃除
必要な物は、お箸と新聞紙のみです。
まず、香炉に残ったお線香の燃え残りを、お箸で取り除いていきます。
あ、もちろん燃え残りは可燃ゴミでOKです。
そうして一通り取り除いたら、底の部分を軽く床やテーブルなどにトントントンと当ててあげることできれいに平らになります。
最後にきつく絞った雑巾などで回りを拭いたら完了です。
ちなみにお寺には灰ならしセットなるものがあり、これできれいに平らにします。
意外と知らない香炉の向き
さて、こうしてきれいになった香炉ですが、皆様は香炉を置く向きを気にされたことはありますか?
実は香炉の多く、特に脚が三本付いている物には向きがあります。
香炉の香炉を置いた時、向かって正面にくるのは家紋や宗派の紋が付いている部分です。
しかし、そういったものが無く、脚が三本付いている場合は、向かって正面に来るのは一本の脚の部分で後ろに二本という向きになります。(ボウリングのピンの一列目と二列目の配置です)
さらにこの際香炉の淵に傾斜がかかっている場合は、下がっている方の一本脚が前にきます。
とは言ってもわずかな傾斜なので、なかなかわかりづらいです。
また、香炉が全てのお宅にあるとは限りませんので、お線香を立てられるものであれば、灰が無くても問題ありません。
大切なのは香炉でもお香立てでもお皿えも、きれいにしてお迎えするということですね!
お盆のお花とろうそく
仏教行事で欠かせないお供え物が「香華灯燭」つまり、お花とろうそくです。
ちなみにろうそくの灯はお線香を焚くためというよりは灯をお供えしているという場合もあるので、ろうそくの台が二つ以上ある場合は一つをお供え用、もう一つを手元でお線香を焚くようにしてもいいかもしれません。
(実はお線香を焚く火はライターで問題ありません。)
さて、このお花とろうそくを置く位置はというと、香炉を中心に右側にろうそく、左側にお花です。私たちはこれを「ウショクカサ」という風に覚えています。
ウショクは右燭つまり、右にろうそく、カサは華左、つまり左にお花という意味です。

お仏壇ではありませんが、ウショクカサは共通です!
皆様も迷ったら「ウショクカサ」を思い出してみてください!
もし蝋燭台とお花が一対ずつある場合は前から香炉、蝋燭、お花の順に左右対象でボウリングのピンの外側のようにお供えしてください。(わかりづらい)
補足:お茶とお湯をお供えする場合はお茶が左なので「サ(茶)」で覚えてみてください。
あと、お鈴は左、木魚は右です!(お鈴のみなら右でもOK)
お盆のお供え物
お盆のお供え物というと、おはぎや季節の野菜やくだもの、そうめんなど、夏らしいものや季節のものがメジャーですね。
これらの根底にあるのはご先祖さまへの「おもてなしの精神」に他なりません。
例えば、季節の野菜や果物というのは農業が発達するまではその時期にしか食べられないご馳走でした。
そしてお団子やおはぎは、昔の庶民にとってはお米やお砂糖を使ったこれもご馳走です。
こうした心を尽くしてお供えすることが大切なのです。
私の実家のお寺のお檀家さんにこんなお話があります。
お身内が亡くなって初めてお盆を迎え、何をお供えしたらいいだろうと家族で相談すると、その方が好きだった食べ物がいいだろうということになり、親戚も含めてそれぞれに故人が好きだった食べ物を持ち寄ることにしたそうです。
そして私の父がお盆のお経をあげにお邪魔すると、ケンタッキーのフライドチキンやマクドナルドのハンバーガーなど、生前故人が好きだった、お仏壇では見慣れないジャンクフードが積まれていたそうです。
この、故人やご先祖を想い、喜んで欲しいを願ってお供えをするこの気持ちこそがもっとも肝心なのです。
もちろん、風習や文化で決まったものもあるかと思いますが、ぜひそんな想いを大切にしてみてはいかがでしょうか?
お盆とは、普段の忙しさの中でつい埋もれてしまいがちな、ご先祖様やご家族とのご縁の上に、より正しく生きようと再認識する日だと思います。
お仏壇が無ければお写真とお花と、心ばかりのお供えものだけでも用意して、手を合わせてみてはいかがでしょうか。
どうぞよいお盆をお過ごしください。
こちらの記事は動画版もあります。