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いま、相撲が熱い!

令和2年の9月場所は、白鵬関、鶴竜関の両横綱をはじめ、
新型コロナウイルス感染者が出た玉ノ井部屋の全力士など、

多くの力士が休場する中で幕を開けました。

そのため、場所前は、

「今場所は少しさみしい感じになっちゃうのではないか。」

という懸念もしておりましたが、

ふたを開けてみればそんなことはなく……。

それどころか、いつも以上の盛り上がりを見せた場所になったように思います。

序盤に大関朝乃山関が三連敗を喫したかと思えば、

そこから2敗、3敗の力士が入り乱れる大混戦に突入!

一体これからどのような展開になっていくのか、手に汗握る取り組みが続く中、

優勝の可能性を残した力士が、一人消え、二人消え……

気づけば千秋楽に優勝の可能性を残すのは、2敗の関脇・正代関、3敗の大関・貴景勝関、そして同じく3敗で並ぶ新入幕の翔猿とびざる関となりました。

そんな中、優勝を成し遂げたのは圧巻の相撲で貴景勝関、翔猿関を打ち破った正代関でした。

熊本出身力士として初の優勝を飾った正代関。

大関昇進もほぼ確実となり、今後のさらなる活躍に期待がかかります。

また、新入幕にして優勝争いを演じ、敢闘賞を受賞した翔猿関。

身長174㎝の小兵力士ながら、堂々とした真っ向勝負の取り口。

しかも整った顔立ちをしていることから、これからの相撲界を担う大人気力士となることでしょう。

大一番に敗れて悔しがる表情も、

「相撲が好きですから」とさわやかに答える表情も、

ファンを魅了してやまない新たなヒーロー「翔猿とびざる」の誕生を印象付けました。

さて今回の記事は、波乱万丈の9月場所に思わず胸が熱くなった久保田が、現在の大相撲の魅力について思うところを語っていきます!

相撲人気の変遷と相撲の味わい方

平成に入って相撲界は相次ぐ不祥事に、

時に存続が危ぶまれるほどの苦境に立たされ続けてきました。

八百長問題、暴力問題……

そうした問題を受け止めて、改善を図った結果もあってか、

それが今や満員御礼が当たり前という状態になりました。

いま、相撲人気はほぼ回復したと言っていい状況だと思います。

取り組みに目を向ければ、

力士の大型化が問題視される中での、炎鵬、照強、石浦などの小兵力士たちの活躍や、

三役で力を発揮する貴景勝、正代、御嶽海、朝乃山などの若い力士たちの台頭など。

ひと場所15日の中に、数えきれないほどの名勝負が繰り広げられ、新しい物語が紡がれようとしています

いま、相撲界は世代交代の過渡期にあります。

長年にわたり横綱を務めてきた白鵬関、鶴竜関が、いつ後進に道を譲ることになるのかも注目の一つ。

休場の多さや、全盛期に比べて力が落ちたことを指摘されることもある両横綱ですが、

それでもこの二人は圧倒的な強さを持っています。

特に白鵬関はレジェンドです。絶対王者です。

大関以下が群雄割拠の様相を呈する中……。

どの力士が白鵬関を打ち破り、実力一つ抜けて次代の横綱となるのか、毎場所目が離せません。

また長い間相撲を観てきて、かつて土俵上で力を振るった力士たちが親方衆になっているのも、感慨深いものがあります。

勝負審判を務める親方の顔を見るだけで、現役時代の取り口が懐かしく思い起こされます。

さらに弟子に親方の技が受け継がれていることを感じたりすると、ひときわ熱い思いがこみ上げてきます。

こんなことを考えていると、私自身の相撲の見方も変わってきたのだなあと感じるのです。

人気力士にあやかる形の相撲人気

かつて私は好きな力士を中心に相撲を見ていました。

若貴フィーバーにはじまり、

寺尾、貴闘力、貴ノ浪などの人気力士……

正直に言うと、その他の力士にはあまり興味が持てませんでした

そういう見方をしてしまっていたのは、相撲のメディアでの扱われ方も関係していると思います。

クローズアップされるのは、強い力士、人気がある力士。

私がはじめに相撲に興味を持ったきっかけは、若貴フィーバーでしたが、

今にして思えば、それはメディアを通じて、若貴という小さな窓から相撲界をのぞき込むような形だったように思います。

しかし、当然のことながら数人の人気力士だけで場所が成立しているわけではありません

長年相撲を観ているうちに、

多くの幕内力士たち、その一人一人に壮大な物語を感じられるようになっていました。

さきほど横綱の休場が多いことが問題視されていることに触れましたが、これは一方で、多くの力士が注目されるチャンスであるように思います。

一握りの力士だけではなく、関取一人一人が持つ重厚な物語に多くの人が気付いていけば、

相撲の人気は一層高まり、不動のものとなっていくことでしょう。

「変化」の魅力

さて、ここで伝えたい「変化」とは、「立ち合いの変化」ではありません。

「変化」の相撲はあっけなく、見どころに欠ける場合が多くなってしまいます。

勿論、勝負の駆け引きとして「立ち合いの変化」は重要な要素ですが、個人的には変化の相撲はあまり好きではありません。

ここで私が伝えたい「変化」の魅力とは、

年間6場所、合計90日の戦いを通じた力士たちの「変化」です。

それは、単なる成長にとどまらず、

ひたすらに身体をいじめ、精神を削り、戦い続ける力士たちの、

迷いや葛藤、

ケガとの向き合い方など、

相撲に向き合う人間模様です。

その人間模様が力士を「変化」させていくのです。

そもそも力士たちは、並々ならぬ覚悟をもって相撲界に入ってきています。

早いものは15歳、16歳から。

自分の生きる道を相撲と定め、それまでの生活と全く違う世界に身を投じています。

幕下以下の番付では、雀の涙ほどの給金しかもらえないことをご存じの方も多いと思いますが、

その上で、十両に上がれるのはほんの一握り

恐ろしいほど厳しい勝負の世界に生きているのが力士です。

そのことに気が付いてから、私の力士一人一人を見る目が変わりました。

私たちが普段なにげなく目にする相撲中継。

たまにテレビで目にしても、興味もなく見過ごす人も多いことでしょう。

しかしその時、力士たちは、

人生のすべてを賭けた土俵で、

掛け替えのないひと場所を戦っているのです。

そのことを改めて久保田の心に刻み込んでくれたマンガ作品があります。

相撲マンガ「バチバチ」シリーズ

それは、週刊少年チャンピオンで連載された、相撲マンガ「バチバチ」シリーズ三部作

「バチバチ」「バチバチBURST」「鮫島最後の十五日」合わせて50巻を超える超大作です。

この作品では登場する力士ひとりひとりの生きざまが丁寧にクローズアップされ、

登場人物を(一部の例外を除いて)誰一人として雑に扱っていません。

相撲を通じて描かれる力士たちの人間模様が、これ以上ないほど鮮明に、劇的に描かれた作品です。

先ほど、力士たちは掛け替えのないひと場所を戦っていると書きましたが……

力士だけではなく、私たち自身も掛け替えのないひと時を生きているのだ、ということをも強烈に印象付けてくれる素晴らしいマンガ作品です。

マンガ好き、相撲に興味があるという方は、是非とも!是非とも!シリーズ全巻読んでください!お願いします!

貴重な人生のひと時を費やすに価値あるマンガ作品です!

(バチバチシリーズについては、いずれ西田さんと共同で記事にしたいです)

感情移入の格闘技、大相撲

さて、横道にそれながらも、ここまで大相撲の魅力について語ってきました。

力士たちがどれほどの思いを抱えて土俵に上がっているか。

詳しく知れば知るほど、奥深く、

時に涙がこぼれるほど心を揺さぶられるのが大相撲です。

また、力士たちは土俵の上に、まわし一本という出で立ちで上がります。

その身一つだけをもって、戦いに挑む。

そこに有無を言わさぬ説得力のようなものも生まれることでしょう。

相撲にすべてを賭けた力士たち。

土俵は力士たちの生きざまがありありと現れる場所なのです。

勝負の世界で戦い抜く力士たちに思い寄せたとき、

大相撲の輝きが勢いよく、明らかに生き生きと現れてきます。

まとめ

禅の言葉に、

「以心伝心」「不立文字」

というものがあります。

これらの言葉は、

本当に大切なことは言葉ではすべて言い表すことができず、

その人の生きざまをもってしか伝えることができない、

ということだと私は思います。

私たちは様々な人とかかわりあい、その人の生きざまを目に映しながら、成長します。

大相撲が私を魅了してやまないのは、そこに圧倒的なまでの生きざまが現れているからだ、このように私は思います。

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