【坐禅コラム#15】坐禅会でストレッチはアリ?ナシ?

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坐禅についての気づきや考えたことを思いつくままに書くこちらの「坐禅コラム」。

今回は、坐禅会を企画する方は気にしたことのある、ストレッチの是非についてのお話です。

坐禅をする前にストレッチをするのはアリなのかナシなのか、そしてさらに坐禅に何かをプラスすることそのものについても考えていきます。

Contents

修行道場での坐禅

坐禅とストレッチについて考えるために、修行道場をベースに坐禅を考えてみましょう。

私が修行した永平寺では、道元禅師が著された書物の形式をなるべく再現する形で、坐禅が行われます。

その中で、修行僧がストレッチをする時間は特に設けられていません。

それは、坐禅を組む過程で行う左右揺振さゆうようしん挙体数欠こたいすうかんが、ストレッチの役割をになっているという考えもあるでしょう。

または、「坐禅は習禅にあらず」という言葉があるように、坐禅が「できるようになるため」にストレッチをすることがふさわしくないという解釈もあるかもしれません。

しかし私個人で言えば、入浴後や就寝前に足首を柔らかくするストレッチをしていましたし、一日中坐禅をする摂心の期間はこれがないと持たなかったと思います。

お仕えしたご老師も、朝の坐禅にいく前は必ず足首を伸ばしておられたので、その強度に違いはあれど、坐禅の前後にストレッチをした経験のある方はかなり多いのではないでしょうか。

坐禅への導入の重要さ

では、修行道場の外、各お寺や禅活のようにスタジオで坐禅会をする時にはどうでしょうか。

まず、考えなくてはならないのが、坐禅会に来られる方はそれぞれ全く違う日常を送っているということ。

肉体労働をしていた方、デスクワークをしていた方、その日はお休みの方。

疲労の具合や体について癖も、全く異なる方が一緒に坐禅をすることになります

修行道場では配役によってその日の勤めは変わりますが、生活のリズムは同じです。

しかしそれでも、初めてパソコンを扱う役を務めた時は、目の疲れや肩の凝りがひどく、坐禅にも影響がありました。

それが一般社会ともなれば、身体が硬くなって坐禅の導入に支障がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

また、会場に到着するまでの足取りも違うはずです。

距離やスケジュールによって、お茶をしてから到着される方、仕事終わりに急いでなんとか間に合われた方、様々です。

そんな、心の落ち着き方が異なる方々が集まる場では、心が坐禅に向くように慣らしていく時間が必要なのです。

この、それぞれに異なる身心を調和していくことが、ストレッチの意義だと、私は考えています。

「体ほぐし」という言い方

ここまで便宜上、ストレッチという言い方をしてきましたが、禅活の坐禅会では坐禅前の運動は「体ほぐし」という言い方をしています。

それは体感として、ストレッチをすると言うと、どこか参加者さんが身構えてしまう感覚があるからです。

また、調身・調息・調心というように、坐禅で必要なのは「矯正」ではなく「調律」です。

ストレッチが苦手な方は本当にそれだけで身構えてしまったり、真面目な方は無理にでも伸ばそうとしてしまいます。

そうではなく、これから坐禅で調えやすいように、一度緩め、ほぐすという過程こそが重要なのです。

「体ほぐし」と「ストレッチ」、言葉には大した違いが見えないかもしれませんが、体がイメージするものには大きな違いがあるはずです。

実際にやっている体ほぐし

坐禅に必要な体ほぐしというと、股関節周りや足首を気にする方が多いかもしれません。

そして、前屈や開脚ができれば結跏趺坐が組めるようになるのでは!?と思われている方もいらっしゃるでしょう。

残念ながら、開脚と前屈はあまり関係ないようです。

なぜなら、小学生の頃から開脚した前屈してみぞおちが床に着く私が、結跏趺坐はできないからです。

そこで私が取り入れているのが、格闘家の朴光哲ぼくこうてつさんが動画で解説されていたやり方で、体の表と裏をセットで伸ばしてほぐすというやり方です。

股割りや開脚だけでなく、膝を内側に入れたり足を閉じる動きによって、その部位全体がほぐれていきます。

そして一番時間を割いているのが、上半身の体ほぐしで、主に呼吸に使う筋肉をほぐします。

肺は心臓のように自力で伸縮することができず、周囲の筋肉によって運動が成り立っています。

そのため、肩こりがひどかったり、首や背中が固まっていると、どうしても調身・調息に影響が出てしまいます。

そこで、動きと呼吸を連動させる形で、首・肩・背中・胸のほぐしは丁寧に行うよう心がけています。

坐禅に+αはアリ?

私と、活動している禅活としては坐禅の前のストレッチは、強度や内容を工夫した上で「アリ」だと思っています。

また、現在は坐禅会の内容は実に多岐にわたっていて、ヨガやマインドフルネス、楽器の演奏などと組み合わせて開催されることも多いようです。

ここで、気を付けたいのは、一般的に坐禅と混同されやすいものを取り入れるとき、それでもなぜ坐禅なのかを主催者が説けるようにしておくということです。

坐禅という信仰の根幹を、他の文化の中に収めてしまうと可能性を狭めることになってしまいます。

また、坐禅を終えた参加者の方々には、なるべく緩やかに元の生活に戻れるような終え方も重要でしょう。

坐禅は様々なものと組み合わせやすい、催しとしては様々な形が考えられるものではあります。

しかし、その組み合わせ方によっては大きくマイナスになってしまうことを踏まえて、坐禅会などを考えなくてはならないのかもしれません。

まとめ

坐禅には、社会生活で抱えた様々な荷物を下ろせるような、現代にとって必要な要素がたくさんあります。

それを届けやすくするために、私たち僧侶の試行錯誤が止むことはありません。

ストレッチも、どんな風に、何のためにやるのかを考えて取り入れれば非常に有意義なものになると私は感じています。

坐禅会への参加を考えていらっしゃる方は、ぜひ色んな坐禅会を試してみてください!

毎週日曜開催の私のオンライン坐禅配信もぜひ!

 

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