【食コラム】#4 渋谷で虫を食べて考えた※閲覧注意

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仏教という視点を通して食について色々と考えてみる【食コラム】。

前回は、精進料理の知恵に一つである「もどき料理」が持つ長所と短所について考えてみました。

今回は、先日リニューアルオープンした渋谷パルコで、未来の食糧危機を救うと言われている昆虫食をいただいてきました。

苦手な方には辛い写真も登場するかと思いますので、お付き合いいただける方だけどうぞ!

※閲覧注意です!

Contents

カオスキッチン

2017年から、2020年に向けて建て替え工事を開始し、先月11月28日にリニューアルオープンした渋谷パルコ

工事中の仮囲いは、2020年の東京を舞台にした大友克洋さんの漫画「AKIRA」のアートウォールで飾られたことなどでも話題になりました。

そしてここは2009年に受験のために東京を訪れた西田少年が勇気を振り絞って足を踏み入れ、アディダスのマフラーを買った思い出の地でもあります。笑

さて、今回リニューアルオープンした渋谷パルコの目玉の一つが、個性溢れるテナントが入る地下一階の「カオスキッチン」

ハンバーグを目の前で焼いてくれる「極味きわみ」、私もWEB担当の堀田とよく行く五反田の立ち食いうどんの名店「おにやんま」といったお店が入っており、平日でも賑わっています。

獣肉酒家 米とサーカス

そして今回私がお邪魔したのは高田馬場でも話題となった「獣肉酒家 米とサーカス」さん。

珍しい動物のお肉を提供するお店ですが、さらに昆虫料理も味わうことができるのです。

そこで「食をテーマに活動しているからには、一度味わってみなければ!」ということで12月某日、私は同じく曹洞宗総合研究センターに所属するお坊さん二人と一緒に突入してみました。(久保田さんは体調不良深澤さんにはシンプルに拒否されました

18時過ぎにお邪魔したところ「予約があるので一時間のお席でよろしければ」とのことでしたが、待たずに席に着くことができました。

まず、ドリンクをということでメニューを開くと、早々に「ゴキブリ酒」「カメムシ酒」などのパワーワードがずらり。

そしてそのゴキブリ酒が売り切れだというのだからさらに驚きです。

私はお酒がほんとんど飲めないのでノンアルコールの「MUSHIソーダ」、同行者はそれぞれ「MUSHIサワー」「サソリ酒」を注文しました。

お通し&ドリンク

ドリンクを注文すると、ジャブとでも言わんばかりに衝撃のお通しが。

スズメの姿揚げです。

スズメは、田舎では昔よく食べたお祭りなどで焼いて売られていたとも聞きます。

そんなスズメの姿揚げは、「クチバシが少し硬いですが丸ごとお召し上がりいただけます。」という少々ハードなご案内をいただき、さながら進撃の巨人の如く脚の方からガブリ

美味しい!

塩味が効いていることもあり、脂っ気が少ない鶏皮のような味で、食感はパリパリしています。

内臓もそのままなので、レバーのような味もします。(イワシを丸ごと食べた感覚と似ているかも)

 

と、思いがけず美味しくスズメをいただいていると、ドリンクが到着。

MUSHIソーダ…。

うっかり虫が混入してしまったかのようなこのビジュアル

材料はハイビスカスと蜂蜜にソーダ、底には虫粉

こちらは正直、味がはっきりしないのと虫粉の舌触りが気になって、いまひとつでした。

あと、ここに乗っているハチが独特の匂いを持っていて、この日私が唯一飲み込めなかった虫でした…。

 

ちなみにこちらは同行者が注文した、サソリをウォッカに漬けたサソリ酒。

虫特有の油っ気?があり、少し飲みにくいと言っていました。

ジビエ煮込み&獣肉7種食べ比べ

続いてやってきたのは日替わりでお肉が変わるジビエ煮込み

この日は猪肉で、内臓まで入った元気の出る一品です。

若干、内臓にアンモニアっぽい臭みもあることはありましたが、美味しくいただきました。

そして今度は、獣肉7種食べ比べ

 

猪、鹿、鴨、兎、ダチョウ、カンガルー、ラクダという、中々珍しい動物も含まれる個性派メンバー。

やはり気になるのはダチョウ、カンガルー、ラクダです。

猪、鹿、鴨、兎は塩とワサビだけでとても美味しい!

今回驚いたのがダチョウ

これが牛ヒレとすごく近い食感で、臭みもなくて非常に美味しいんです!

黙って出されたら鳥の肉だとは思えない肉質でした。

そしてカンガルーとラクダも、ほんのり独特な香りはあるものの、十分美味しいです。

ただ、全てのお肉に共通するのは、何百グラムも食べることはできないかな、という味の濃さと存在感でした

それだけ栄養価が高いということなのかもしれません。

昆虫6種食べ比べ

さて、ついにこの時がきました。

本日のメインイベント!!

昆虫6種食べ比べセット!

カイコ(佃煮)、ゲンゴロウ(素揚げ)、バンブーワーム(素揚げ)、イナゴ(佃煮)、ハチノコ(佃煮)、タイワンハネナガイナゴ(素揚げ)の6種。

イナゴは実家で食べたこともあり、さらに佃煮ということでもうごく普通のおつまみのようでした。

しかし、抵抗があったのはカイコ、ハチノコ、バンブーワームの芋虫勢

タイの屋台で見た時も手を出せませんでした。

いざ!!

あれ、そんなにクセがない

微かに干し草のような香りがするものもありますが、思ったよりずっと食べやすいです。

そして、この中でクセが強かったのが、この方。

ゲンゴロウです。

田んぼで泳いでいるゲンゴロウさんは、外側が硬く少しずつ様子を伺いながら、というわけにいきません。

そしてひと思いにガリっといくと、3つの波が押し寄せます。

第一波は、ドッグフードのような香り

第二波は、エビを素揚げしたような香ばしさ

第三波は、牧場や動物園のような匂い

第二波の時、お?美味しいかも!と思った瞬間にフワッと動物園になりました。

そしてあまり口直しにならないMUSHIソーダ…。

ちなみに一番の大物、タイワンハネナガイナゴ同行者が食べ、これと言ってクセはなかったようです。

そんなこんなで、クセがあるものもありましたが、全て完食!

ごちそうさまでした!

食卓の未来と昆虫食

今回いただいた昆虫食は、将来食糧不足が訪れた際の救世主として注目されています

実際に今も昔も、日本をはじめ世界中にタンパク源として昆虫を食べる文化が存在してきました。

そして、日本でも食糧難が訪れた際には、貴重な栄養源としていただくことになるでしょう。

ただ、今回いただいたハチやゲンゴロウといった殻が硬い昆虫は中の消化器官がかなり独特な味や匂いを持っています

それをどのように調理していくのかは課題になっていくかもしれません。

それとも、味になんか構っていられないような食糧危機がやってくるのが先になるのでしょうか

 

私にはわかりません。

 

しかし一つ言えることは、昆虫を食べることを罰ゲームや苦肉の策にしてはいけないということです。

食べ物というのは、人間が一方的に食べる対象にした命のことです。

植物も動物も虫も、人間の栄養のために存在しているわけではありません。

「将来は虫も食べなければならないかも」なんて、とてもおこがましい話なんです。

興味本位で昆虫を食べに行くのもいいですが、その昆虫も人間の都合で食べ物となった命であることは忘れず、敬意を持っていただきましょう。

視覚・味覚・嗅覚から受ける刺激を受けた後は、改めて今の食事との向き合い方を考える、そんな機会になれば素敵ですね!!

 

今回お邪魔したお店

「米とサーカス」
住所:〒150-8377 東京都渋谷区宇田川町15−1B1F
電話番号:03-6416-5850
営業時間:11:00~23:00
※営業時間が変更になる可能性がございます。

 

 

 

 

 

 

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